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2014エンジェルサポート青森 修了式

2月24日に、青森県の児童養護施設あけぼの学園にて行われている自立支援プログラム、エンジェルサポート青森の2014年度最終回が行われました。

この日はエンジェルサポートセンターから講師を派遣してビジネスマナー講座を行い、それぞれ就職が決まっている高校三年生の学習の機会としました。
仕事の場での心構えや言葉遣いについて学び、実際に名刺入れを使って名刺交換を体験し、学習しました。また冠婚葬祭のマナーとして、結婚式に招かれたときや葬儀の礼儀についても実習をしながら学びました。全員の就職先が決まっているためそれぞれ内容も質問も具体的なものになり、充実した時間になりました。

学習の後には一年間のプログラムの修了式を行いエンジェルサポートセンターからの修了証を授与、さらに協賛のフィリップモリスジャパンより新生活を迎える修了生の皆さんへ布団のセットとビジネススーツが贈られました。
修了生は一人ずつ決意表明を行い、新しい人生の始まりにあたり確かな言葉で約束をしました。

この青森県でのプログラムも今回で5年目になりました。これからも多くの皆さんが社会に自立していくための支えでありたいと願います。

暮らしの経済・法律と契約について

12月14日(日)に東京会場にて自立支援プログラムを行いました。

今年度のプログラムもこれで第4回目となりましたが、これまで参加者から寄せられた感想のなかで、「進学や就職した後の生活の様子が知りたい」「生活していく中で具体的に何に気をつけたらいいのかわからない」といった声が多くありました。また、12月になって春からの進路が具体的になる時期でもあります。より自分自身の生活と重ね合わせイメージしやすいよう、今回は前半に「暮らしの経済学」として、お金の話、大学生の生活、ひとり暮らし、目標に向かって努力すること、などについて、明治大学会計専門職大学院の学生の皆さんから、実体験を元に話をしてもらいました。

参加者のアンケートでは、給与明細の見方、特に控除について詳しく教わることができたことがよかった、というコメントが多くありました。また学生の皆さんの実体験からくる話はどれも印象深かったようで、ひとり暮らしの大変さやお金を貯める大切さを知った、大学についての印象が変わった、というコメントもありました。

後半は、司法書士の皆さんから、法律や契約に関するクイズに答えながら、生活のなかで困ってしまったときにどうしたらよいか考える時間としました。身近な契約や人間関係でのトラブルに対してどのように対応するか、グループで話し合いながら答えを出していきますが、どこも様々な意見が交わされなかなか統一できないようでした。正解が発表されるたびに大きな声が出てしまうほど盛り上がっていました。ただアンケートでは「色々な意見が聞けたが、本当に自分だったらどうするかをもう一度考えようと思った」というコメントがありました。実際のトラブルに対してどのように対応するのか、注意して考えるきっかけになればいいのではないでしょうか。他にも「困ったときの身近な相談先を知っておきたい」「クーリングオフを詳しく知っておきたい」とのコメントがありました。今から備えることの大切さを知る機会になったようです。

次回は今年度の最終回です。毎年恒例の宿泊研修を2月に行います。熱心に取り組んできた彼らのよい出発の日となるように、最後まで支えて参ります。

 

2014エンジェルサポート宮城 修了式

東日本大震災被災地支援プロジェクトとしてエンジェルサポートセンターからも支援を行なってきた「Doorway to Smiles」プロジェクト、その一環である宮城県での自立支援プログラム「エンジェルサポート宮城」の2014年度最終回が12月7日(日)に行われました。

今年度も、宮城県気仙沼市の児童養護施設「旭が丘学園」にて、学園の高校生と、県内の里親家庭で生活する高校生、あわせて6名が参加して学びの経験を重ねてきました。

最終回の今回は、地元の支援者の皆さんと一緒に調理実習を行い、ひとり暮らしの毎日の料理について経験するカリキュラムでした。以前から地域の多くの方に支援をいただいていた旭が丘学園では、昨年度に初めてこのプログラムを行なったときから、地域の方々からたくさんの支援を得て、施設を出て生活を始める子どもたちにとって大切な、生活の知識や技術を身につけるプログラムにすることができました。

修了式ではひとりずつが春からの決意表明を行い、修了証が授与されました。

全国で行われるエンジェルサポートプログラムのなかで、今年度初めての修了式です。これから来春に向けて多くの子どもたちが施設や里親家庭を離れて自らの生活を始めていきます。今後もエンジェルサポートセンターでは自立する子どもたちへの支援を続けていきます。

経済的で健康的な毎日の料理

2014年の自立支援プログラムも3回目となりました。
11月9日に立川市柴崎学習館にて、「健康的な食生活」をテーマに調理実習を行いました。

今回のメニューはご飯、肉野菜炒め、なめこの味噌汁、オムレツ、杏仁豆腐、です。

卵を割ったこともない高校生が自分でオムレツを作ったり、飲食店でアルバイトをしているような料理に慣れている高校生には炊飯器ではなく鍋とガスでご飯を炊く経験をしてもらったり、料理をするのに慣れている人も、そうでない人も、それぞれが経験となるようグループ分けや役割分担を工夫して、取り組みました。

どのグループも美味しく上手に出来ていて、食事の席では仲良くなった参加者のなかでこれからの進路のことなど会話もはずみ、楽しい雰囲気の中で過ごすことができました。

片付けを終えてから、午後は食費について考える時間としました。この日の実際の材料費を元に、一人前の食事を作るのにかかる材料費を計算しました。そこから一日分、一ヶ月分の食費を計算していくことと、コンビニや外食などの自炊以外との比較を行いながら、食事にかかる費用と、自炊にかかる時間のバランスについて、皆で考える機会にしました。

この日のアンケートには、「下味のつけ方がわかった」「時間がどのくらいかかるのかがわかった」といった調理技術についてのコメントがありました。また、「一日あたりの食費がなにげに安かった」「お肉は高い」「スーパーやコンビニがとても高いのがわかった」という食費についてのコメントや、さらには「今までは調理に関心がなかったけれど今日の実習で自分の生活を見つめなおしたいと思う」「たまには手を抜いてもいいと知ることができてよかった」「一人で効率よくやるのは大変だとわかった」と、施設や里親家庭から離れて自分で生活を始めることを踏まえた学びについてのコメントがありました。

次回は12月に「若者の暮らしの経済」として大学院生の皆さんにお金や時間の使い方、人間関係、夢の実現など、語っていただきます。また司法書士の皆さんから契約や法律について学ぶ機会とします。

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ファイナンスパークで家計の体験学習

9月28日(日)にエンジェルサポート自立支援プログラムの今年度第二回プログラム「暮らしにかかるお金の使い方」を行いました。

エンジェルサポートセンターでは、公益社団法人ジュニア・アチーブメント日本の協力を得て、同団体の運営する「ファイナンス・パーク」にてプログラムを受講しました。ここでは暮らしのために必要なお金について学ぶだけでなく、自ら選択し意思決定をして行動することを体験的に学ぶことができます。

参加者した児童の多くは高校卒業と同時に18歳で施設や里親家庭から離れて一人暮らしを始めます。仕事をしてお給料をもらいながら生活にかかるお金の管理をしていくことは、18歳ではとても難しいことです。
参加者たちは一日をかけてそれぞれ与えられた家族構成や年収などの設定を元に、食費や住居費、家族の衣料品などの家計の配分を考え、決定していました。

また今回は、里親家庭からの児童の自立を支援するNPO法人である、アン基金プロジェクトと、神奈川フォスターケアサポートプロジェクトの二団体が行う自立支援プログラムとの合同開催として行い、約50名の高校生が集まりました。「社会的養護からの自立のために学ぶという、同じ目的を持った自分と同じ境遇の仲間が50人もいる」ということは、近い将来に不安を抱える彼らにとって、とても勇気づけられることです。またお互いに自分のことを話すことで、プログラムの内容だけでは得られない体験ができる貴重な機会となっていました。

次回は11月に「健康的で経済的な食生活」として調理実習を行います。そろそろ卒業後の進路や方向性が決まってくる時期。子どもたちにとっても決断の機会が増えてくるころになります。

参加者の感想から
  • お金をどこにどのくらい使うのかが正確にわかりました。少し難しかったけど将来役に立つと思いました。
  • 一人暮らし、また結婚してからも、お金がものすごくかかっていることがわかりました。
  • 今まで保険や医療費をあまり大事だと思っていなかったので、勉強をして、家族のためにも自分のためにもなるのがよくわかった。
  • 住宅費や食費などの配分はそんなに難しくないだろうと思っていましたが、実際やってみてとても大変でした。時間ギリギリだったので生活設計している人はとてもすごいなと思いました。