活動報告」カテゴリーアーカイブ

気仙沼での自立支援

2月6日、気仙沼の児童養護施設、旭が丘学園にて今年の自立支援プログラムの最終回が行われました。

施設児童の自立支援活動を始めたのは2003年のことです。
今では青森から沖縄まで全国10ヶ所で行われていて、児童養護施設や里親家庭からも参加し、参加人数も毎年100名を超えるようになりました。

今年はこの気仙沼会場では、施設と近隣の里親家庭で生活する高校三年生と一緒になって生活のために必要な学びの機会を設けることができました。
また企業や団体からのご支援をいただき、参加した高校生たちに布団や冷蔵庫といった生活用品や、スーツのプレゼントを贈ることもできました。家族からの支援が得られない場合は、18歳で就職をして一人暮らしをして社会のなかで生きていくことになります。

震災から5年、気仙沼の町は復興途上です。18歳の就職先は見つかりません。地元で働き暮らしながら少しずつ社会に慣れていくというわけにはいきません。今日参加した高校生たちも、それぞれ遠方で頑張っていくことになります。

修了証を授与し、それぞれのスピーチを聞き、施設の先生方や地元の方々に暖かく支えられてきたのだなと感じることができました。強く、優しい言葉ばかりでした。

これからは社会の一員として、よき隣人として、それぞれの人生を幸せに生きていってほしいと願うばかりです。

卒業生忘年会を開催しました

12月30日に、卒業生プログラム「サロン・ド・エンジェル」の忘年会を開催しました。

参加人数は少なかったのですが、スタッフと卒業生とで富士宮やきそばやお好み焼きを作って食べながら、以前参加していたころの話や、今の暮らしの様子などを話して、ビンゴ大会などもしながら、楽しい時間を過ごしました。

今後も今回のような卒業生を対象にしたプログラムを継続して実施していくとともに、自立を控えた高校生への活動とも連携し、社会生活へのスムーズな移行を支援してまいります。

これで2015年内のプログラムはすべて終了しました。本年も多くのご支援ご協力をいただきましてまことにありがとうございました。

2015福島プログラム開始

2015年度のエンジェルサポート福島プログラムが12月26日に始まりました。今年は県内の児童養護施設6施設から11名の高校生が集まり、これから来年2月にかけて自立に向けて生活技術や社会資源などを学ぶ機会としていきます。

初回となるこの日は「生きる力を身に付けよう」というテーマで、午前中は一人暮らしに役立つレシピを学ぶ調理実習を行い、午後は「孤独感や孤立感と向き合おう」として、メンタルケアやコミュニケーションについて体験しながら学んでいきました。

参加者した高校生のみなさんはこの日初めて会ったばかりでしたが、一緒に料理を作りながら自然に会話も増え仲良くなっていったようでした。帰り際にも「今日は楽しかった」と笑顔でいる様子が見えました。支え合える仲間として関係を深めていってほしいと思います。

震災後の支援として始まったこのプログラムですが、エンジェルサポートセンターと連携を行いながら、毎回県内の施設の先生方が企画と運営をしていただいています。

また、同じように施設や団体と連携をとりながら全国10ヶ所で100名以上の児童養護施設や里親家庭からの自立を控えた高校生を対象に、プログラムを実施しています。困難な状況からであっても自ら生きていける大人へと成長できるような社会資源として支援を続けてまいります。

エンジェルサポート2015 「法律と契約/暮らしとお金」

12月20日、エンジェルサポート自立支援プログラムの今年度第4回目のプログラムを実施しました。

この日は午前に法律と契約について、午後に暮らしとお金についての学びの機会としました。どれも生活をするうえで大切な知識ですが、12月になり、参加者の皆さんは春からの進路や生活の様子が具体的になってきて、現実的に考えることができたようです。

午前のセッションでは、毎年ご支援をいただいている青年司法書士会の皆さんから、法律と契約についてクイズ形式で考える講習を行っていただきました。若者によくある契約トラブルの場面を見ながらグループに分かれて相談し、自分ならどう行動するのか考えていきました。どの問題も多くの考え方ができて、グループ内でも議論が行われていました。

実際に悪質商法の被害にあった事例を見ながら解説をすると、驚きの声が上がっていました。現実に起こっていることは高校生の皆さんの予想を超えていたようです。

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午後からは暮らしとお金についての講習を行いました。ご担当いただいたアクセンチュア株式会社の皆様は金融や会計の専門家として、若者の生活の中での選択とお金の関係について、例をあげながら解説していきました。

さらにグループで相談しながら生活費の費目と金額を書き出して、家計のイメージをつかむワークを行いました。何度も支出を削り計算し直しても赤字になってしまいアドバイスを受けながら相談をしているグループや、予想以上に学費がかかり「こんなに大変なら進学しないほうがいいのでは」と言い出すグループもありました。大変ですが諦めず頑張ってほしいと応援しました。

終了後のアンケートでは、「自分の持っている法律の知識が合っていることの安心を得た」というコメントがある一方で、「契約はわからないことが多かった」「年金や保険が難しい」「収入と支出について、思った以上に限られた枠の中でやるのは大変だなとあらためて感じた」と、難しい内容だったとの声が多くありました。一日の講習で何もかもを習得することは難しいですが、これから考えていくためのきっかけにしてほしいと思います。

夏から始まった今年度の自立支援プログラムも次回で最終回となります。参加者の皆さんの成長する姿を最後まで見守っていきたいと思います。

エンジェルサポート2015 「幸せワークショップ」

10月4日、エンジェルサポート自立支援プログラムの今年度第3回目のプログラムを実施しました。

今回は「ハッピーワークショップ」として、幸福感を高めるワークショップを実施しました。幸せを感じられるようにすることによって自己回復力を高め、挫けない心、立ち直る力、レジリエンスを学ぶことを目的に行いました。

自分自身の内面に向き合ったり、グループで発表を行ったり、と難しい内容もありましたが、参加者の皆さんは最後まで熱心に取り組みました。多くのことを学ぶ機会となったようです。

終了後のコメントでは

  • 班のメンバーとさらに仲良くなることができた
  • 過去の出来事を考えなおすことができた
  • ポジティブな思考は今後の人生でかなり重要な事だと強く頭に焼き付くような話だった

など、多くの肯定的なコメントがありました。

解散後、進路や生活についての個別相談会を希望者に行ないました。遅くまで残ってそれぞれスタッフと話をしている様子が見られました。参加者同士でもお互いに多くの話をすることができることで様々に影響し合い、それぞれの自立生活に向けて悩みながらも考えることができているようです。

また、この日はエンジェル保護者会として、プログラム参加児童の施設職員の方と懇談会を行ないました。プログラムでの様子を伝え、施設での様子をうかがい、その児童の様子をお互いに知ることで、より効果的な自立に向けての支援を行えるようにすることを目的に実施しましたが、10名と多くのご参加をいただいたことでよい会となりました。

次回のプログラムは12月に行ない、「法律と契約」「金銭管理」について学びます。