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卒業生忘年会を開催しました

12月30日に、卒業生プログラム「サロン・ド・エンジェル」の忘年会を開催しました。

参加人数は少なかったのですが、スタッフと卒業生とで富士宮やきそばやお好み焼きを作って食べながら、以前参加していたころの話や、今の暮らしの様子などを話して、ビンゴ大会などもしながら、楽しい時間を過ごしました。

今後も今回のような卒業生を対象にしたプログラムを継続して実施していくとともに、自立を控えた高校生への活動とも連携し、社会生活へのスムーズな移行を支援してまいります。

これで2015年内のプログラムはすべて終了しました。本年も多くのご支援ご協力をいただきましてまことにありがとうございました。

2015福島プログラム開始

2015年度のエンジェルサポート福島プログラムが12月26日に始まりました。今年は県内の児童養護施設6施設から11名の高校生が集まり、これから来年2月にかけて自立に向けて生活技術や社会資源などを学ぶ機会としていきます。

初回となるこの日は「生きる力を身に付けよう」というテーマで、午前中は一人暮らしに役立つレシピを学ぶ調理実習を行い、午後は「孤独感や孤立感と向き合おう」として、メンタルケアやコミュニケーションについて体験しながら学んでいきました。

参加者した高校生のみなさんはこの日初めて会ったばかりでしたが、一緒に料理を作りながら自然に会話も増え仲良くなっていったようでした。帰り際にも「今日は楽しかった」と笑顔でいる様子が見えました。支え合える仲間として関係を深めていってほしいと思います。

震災後の支援として始まったこのプログラムですが、エンジェルサポートセンターと連携を行いながら、毎回県内の施設の先生方が企画と運営をしていただいています。

また、同じように施設や団体と連携をとりながら全国10ヶ所で100名以上の児童養護施設や里親家庭からの自立を控えた高校生を対象に、プログラムを実施しています。困難な状況からであっても自ら生きていける大人へと成長できるような社会資源として支援を続けてまいります。

エンジェルサポート2015 「法律と契約/暮らしとお金」

12月20日、エンジェルサポート自立支援プログラムの今年度第4回目のプログラムを実施しました。

この日は午前に法律と契約について、午後に暮らしとお金についての学びの機会としました。どれも生活をするうえで大切な知識ですが、12月になり、参加者の皆さんは春からの進路や生活の様子が具体的になってきて、現実的に考えることができたようです。

午前のセッションでは、毎年ご支援をいただいている青年司法書士会の皆さんから、法律と契約についてクイズ形式で考える講習を行っていただきました。若者によくある契約トラブルの場面を見ながらグループに分かれて相談し、自分ならどう行動するのか考えていきました。どの問題も多くの考え方ができて、グループ内でも議論が行われていました。

実際に悪質商法の被害にあった事例を見ながら解説をすると、驚きの声が上がっていました。現実に起こっていることは高校生の皆さんの予想を超えていたようです。

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午後からは暮らしとお金についての講習を行いました。ご担当いただいたアクセンチュア株式会社の皆様は金融や会計の専門家として、若者の生活の中での選択とお金の関係について、例をあげながら解説していきました。

さらにグループで相談しながら生活費の費目と金額を書き出して、家計のイメージをつかむワークを行いました。何度も支出を削り計算し直しても赤字になってしまいアドバイスを受けながら相談をしているグループや、予想以上に学費がかかり「こんなに大変なら進学しないほうがいいのでは」と言い出すグループもありました。大変ですが諦めず頑張ってほしいと応援しました。

終了後のアンケートでは、「自分の持っている法律の知識が合っていることの安心を得た」というコメントがある一方で、「契約はわからないことが多かった」「年金や保険が難しい」「収入と支出について、思った以上に限られた枠の中でやるのは大変だなとあらためて感じた」と、難しい内容だったとの声が多くありました。一日の講習で何もかもを習得することは難しいですが、これから考えていくためのきっかけにしてほしいと思います。

夏から始まった今年度の自立支援プログラムも次回で最終回となります。参加者の皆さんの成長する姿を最後まで見守っていきたいと思います。

エンジェルサポート2015 「幸せワークショップ」

10月4日、エンジェルサポート自立支援プログラムの今年度第3回目のプログラムを実施しました。

今回は「ハッピーワークショップ」として、幸福感を高めるワークショップを実施しました。幸せを感じられるようにすることによって自己回復力を高め、挫けない心、立ち直る力、レジリエンスを学ぶことを目的に行いました。

自分自身の内面に向き合ったり、グループで発表を行ったり、と難しい内容もありましたが、参加者の皆さんは最後まで熱心に取り組みました。多くのことを学ぶ機会となったようです。

終了後のコメントでは

  • 班のメンバーとさらに仲良くなることができた
  • 過去の出来事を考えなおすことができた
  • ポジティブな思考は今後の人生でかなり重要な事だと強く頭に焼き付くような話だった

など、多くの肯定的なコメントがありました。

解散後、進路や生活についての個別相談会を希望者に行ないました。遅くまで残ってそれぞれスタッフと話をしている様子が見られました。参加者同士でもお互いに多くの話をすることができることで様々に影響し合い、それぞれの自立生活に向けて悩みながらも考えることができているようです。

また、この日はエンジェル保護者会として、プログラム参加児童の施設職員の方と懇談会を行ないました。プログラムでの様子を伝え、施設での様子をうかがい、その児童の様子をお互いに知ることで、より効果的な自立に向けての支援を行えるようにすることを目的に実施しましたが、10名と多くのご参加をいただいたことでよい会となりました。

次回のプログラムは12月に行ない、「法律と契約」「金銭管理」について学びます。

エンジェルサポート2015 「食事とは」

9月20日、今年度のエンジェルサポート自立支援プログラムの第二回セッション「食事とは」を実施しました。

プログラムに参加している高校生たちは来春に児童養護施設を退所した後、それぞれ仕事をしながら、大学等で勉強をしながら、ひとり暮らしをしていくことを想定しています。そんななか、施設によっては食事は調理されたものを食べていたり、自分たちで調理をしたりと、さまざまです。食事は毎日のことで、かつ生活の基本だとから「食べること=生きること」をテーマにして、調理実習を行ないました。

講師の指導の元、グループに分かれてメニューを決めます。今回のテーマは「和食の昼食」として、あらかじめ会場に用意した野菜、肉、卵…などの材料を見ながらグループごとに予算の範囲内で「買い物」をし、それぞれ料理をしていきます。実際の生活の練習になるよう、スマートフォンでレシピを検索して分量を決めたり食費を計算しながら進めていきます。

普段から日常的に料理をしている人だけのAグループから、学校の授業以外では料理をしていない人たちのDグループまで、レベルの近い同士で4つに分かれました。Aグループはピーマンの肉詰め、Bグループはカレーライス、Cグループは親子丼、Dグループは鶏の唐揚げとメニューが決定しました。それぞれ、材料にひき肉がないので包丁で叩いてひき肉にしたり、果物の飾り切りをしたり、余った野菜で副菜を追加したり、炊飯器がなくても食事ができるよう鍋でご飯を炊いたり、料理に工夫が見られました。

 

制限時間どおりにすべてのチームが完成させることができ、またおいしくいただくことができました。

 

料理をしながら洗い物や片付けを分担して鍋も調理台もきれいにみがいて終えたのは施設の生活で毎日行っているからでしょうし、バランスのよい献立を考えることができたのは施設の栄養士さんが立てた献立で毎日の食事をしていることによるものでしょう。料理をほとんどしてこなかった参加者のグループでも、おいしくて栄養バランスのいいメニューを時間内に完成させることができていました。一食を作っただけで料理について準備は万全、というわけにいきませんが、これを機会に毎日の積み重ねをしていって自信と強みにしてもらいたいと期待しています。

午後は講師からの話と、食費について考えました。自分たちの作った食事の費用を実際に計算してみて、どのグループも一人前で100円代~300円程度だと知り、驚いていました。コンビニや外食などと比較してどれだけ節約できるのかを実感したようです。

また、皆で一緒に料理を作って食べることが楽しい、とのコメントが多く見られました。講師からも、人のために料理をつくることの大切さが伝えられ、そのことについても皆で深く感じていた様子でした。これから進路や生活の変化が決まってくる時期になりますが、次回以降のプログラムでも互いに不安や気持ちの揺らぎを支えあっていってもらいたいと願います。

次回は10月に挫けない心、立ち直る力、レジリエンスについて体験的に学びます。