エンジェルサポート2015 「食事とは」

9月20日、今年度のエンジェルサポート自立支援プログラムの第二回セッション「食事とは」を実施しました。

プログラムに参加している高校生たちは来春に児童養護施設を退所した後、それぞれ仕事をしながら、大学等で勉強をしながら、ひとり暮らしをしていくことを想定しています。そんななか、施設によっては食事は調理されたものを食べていたり、自分たちで調理をしたりと、さまざまです。食事は毎日のことで、かつ生活の基本だとから「食べること=生きること」をテーマにして、調理実習を行ないました。

講師の指導の元、グループに分かれてメニューを決めます。今回のテーマは「和食の昼食」として、あらかじめ会場に用意した野菜、肉、卵…などの材料を見ながらグループごとに予算の範囲内で「買い物」をし、それぞれ料理をしていきます。実際の生活の練習になるよう、スマートフォンでレシピを検索して分量を決めたり食費を計算しながら進めていきます。

普段から日常的に料理をしている人だけのAグループから、学校の授業以外では料理をしていない人たちのDグループまで、レベルの近い同士で4つに分かれました。Aグループはピーマンの肉詰め、Bグループはカレーライス、Cグループは親子丼、Dグループは鶏の唐揚げとメニューが決定しました。それぞれ、材料にひき肉がないので包丁で叩いてひき肉にしたり、果物の飾り切りをしたり、余った野菜で副菜を追加したり、炊飯器がなくても食事ができるよう鍋でご飯を炊いたり、料理に工夫が見られました。

 

制限時間どおりにすべてのチームが完成させることができ、またおいしくいただくことができました。

 

料理をしながら洗い物や片付けを分担して鍋も調理台もきれいにみがいて終えたのは施設の生活で毎日行っているからでしょうし、バランスのよい献立を考えることができたのは施設の栄養士さんが立てた献立で毎日の食事をしていることによるものでしょう。料理をほとんどしてこなかった参加者のグループでも、おいしくて栄養バランスのいいメニューを時間内に完成させることができていました。一食を作っただけで料理について準備は万全、というわけにいきませんが、これを機会に毎日の積み重ねをしていって自信と強みにしてもらいたいと期待しています。

午後は講師からの話と、食費について考えました。自分たちの作った食事の費用を実際に計算してみて、どのグループも一人前で100円代~300円程度だと知り、驚いていました。コンビニや外食などと比較してどれだけ節約できるのかを実感したようです。

また、皆で一緒に料理を作って食べることが楽しい、とのコメントが多く見られました。講師からも、人のために料理をつくることの大切さが伝えられ、そのことについても皆で深く感じていた様子でした。これから進路や生活の変化が決まってくる時期になりますが、次回以降のプログラムでも互いに不安や気持ちの揺らぎを支えあっていってもらいたいと願います。

次回は10月に挫けない心、立ち直る力、レジリエンスについて体験的に学びます。