金銭管理/法律と契約 2018

12月9日、自立支援プログラムの第三回として「金銭管理」と「法律と契約」の講習を行いました。毎年行っているこのプログラムですが、今回も金銭管理についてはアクセンチュア株式会社のコンサルタントの皆様に講師をご担当いただき、法律と契約については青年司法書士会の皆様に講師をお願いしました。 

まず午前に金銭管理のセッションを行いました。高校卒業後の進路選択で進学を希望しているか、就職を希望しているかでそれぞれ分かれてグループを作り、一ヶ月の生活費の収入と支出の費目を考えて金額をグループで相談しながら決めていきます。
家賃、食費、携帯料金、などそれぞれで価値観が異なるため、お互いの主張を聞きながら、共通点を探して一つの収支表にしていきます。アクセンチュアのスタッフの意見を聞きながら大幅に変更になったり、新たに費目が追加になったり、試行錯誤しながら進めていました。

進学組は収入がどうしても不足気味で苦労していました。アルバイトの時間数を増やしたり、家賃や食費を削ったり、携帯は格安の会社に変更する、などの工夫をしながら、それでも奨学金や給付金をうまく活用して、貯金や医療費などは万が一のために残しておきたいとするしっかり者もいました。
東京都で行われた施設等退所者調査で、大学等に進学しながら中退した人の一番の理由が「アルバイトとの両立ができなかった」であったことを以前の回でも話してありましたが、そういったことも考慮しているようでした。

午後は司法書士の皆さんによるグループ対抗契約クイズで、実際にあった契約トラブルをもとに、クイズ形式で正解を相談して考えるゲームでした。
ところがどの問題もなかなか難しくて、どれが正解なのか理由も含めて活発に議論が行われていました。それでもグループごとに意見が分かれて、騙されてしまうこともあり得ると思わされました。
また余談の中で「子であっても親の作った借金を返済する義務はない」という話が出たとき、そのことを知らなかったと答えた参加者が数名いました。もし実際にそのような立場であったら、その子の人生にとって今日の日は大きな意味があるように思いました。

午前午後とも、帳簿の上で計算を合わせることやクイズに正解することに目が向いていましたが、これからの生活の中で実際に直面する現実ですので、そのときにどうするのか、誰に相談するのか、想定をするいい機会になったのではないかと思っています。

12月になって、それぞれ春からの新生活について決まってきたことも増えてきました。次回は最終回、一人ひとりの旅立ちを見送るときまで、今年も支援を続けて参ります。

幸せワークショップ2018

10月14日(日)に、2018年度自立支援プログラムの第二回セッションとして、「幸せワークショップ」を実施しました。

大学院での研究により、人間が幸せだと感じるためにはどのようなことが大切なのか、それは同じように体験することができるのか、皆で実際にやってみることで、楽しんで身につけていきました。「幸せとはなにか」という漠然とした問いに対して、参加高校生たちも楽しみながら真剣に取り組んでいる様子が見られました。また最後には短い時間で寸劇を作って練習して披露するという課題に取り組み、協力しながら、グループのお互いを知る機会にもなっていました。

終了後のコメントでは、

  • 幸せや感謝についてよく知れて良かったです。
  • 幸せにもたくさん種類があることを知った。
  • ネガティブに考えすぎると本当にそうなるからこれからはポジティブに考えるようにする!
  • いろいろな人と話せた。話が合わないと思っていた人とも話せて、人は見かけによらないと思った。

など、多くのポジティブな言葉がありました。達成感もあり、これからにつながる幸せな時間を過ごすことができたようです。

 

児童福祉施設職員のワークショップ2018

10月23日・24日の二日間、パレスホテル立川にてテレビ朝日福祉文化事業団の主催による、「児童福祉施設職員のためのワークショップ」が実施されました。今回もエンジェルサポートセンターは事務局を担当させていただきました。

サンフランシスコ州立大学名誉教授の田中万里子先生を講師に迎え、東北から九州まで全国の児童養護施設や保育園、児童福祉施設から職員22名が、子どもたちに対して共感的に関わること、子どもの気持ちに寄り添うことを学ぶ機会となりました。

講義と、グループによる事例検討と講師からのコメント、また体を使ったエクササイズや姿勢の大切さを学ぶ二日間でした。

次回は2019年10月8日(火)・9日(水)の日程で予定しています。ご予定いただけますようお願いいたします。

 

2018自立支援プログラム東京 調理実習/進学

9月30日(日)、台風が近づく東京で今年の自立支援プログラムの第一回を行いました。今回は立川市の女性総合センター・アイムにて、調理実習と進学についてのセッションを行いました。

今年度は17名の高校3年生が参加しています。この日は年間プログラムの初回でしたので初めにオリエンテーションを行い、講師スタッフ5名と施設職員3名も合わせて全員で自己紹介をしてから、今後の修了までの流れや説明を行いました。

プログラムの前半は料理についてです。講師から栄養や献立についての説明があり、早速グループ分けをしました。自己申告で料理が得意、普段からしている人、ほどほどする人、まったくしない人、までレベルを自分で決めてもらい、同じくらいのレベルの人同士でグループを組みます。そうしないと料理の得意な人がすべてやってしまうので練習にならないのです。
メニューは決まっておらずグループで相談して決めます。さらに材料は会場に準備された肉や野菜などの中から選んで「購入」し、予算内で完成させなくてはなりません。さらに各グループごとにくじ引きで引いた「スペシャル食材」を必ず使わなくてはいけません。これは冷蔵庫に残った消費期限の近い食材を想定しています。つまり普段の生活の中で毎日行う炊事と同じことをグループでやってもらおうということです。

それぞれスマートフォンを使ってレシピや分量を参照し、限られた材料と予算で何が作れるか相談しています。今日初めて会ったばかりですが相談しなくては食べられません。なかでも料理をまったくしないメンバーが集まったグループは「どうする」「どうする」と言い合い、講師のアドバイスを受けながら相談しています。しかもくじで引いたスペシャル食材はこんにゃくです。結局、野菜をたっぷり入れた豚汁を作ることになりました。講師やスタッフのサポートを受けながら、すべてのグループが予算内で食事を完成させていました。

出来上がった料理は味はそれぞれ色々な感想があったり、予算を使い切ろうとして多く作りすぎてしまったりしましたが、皆で楽しく食事をとることができました。食事をしながらの雑談の中で普段の生活や学校のこと、進路のことなど自然に話が出ていました。

児童養護施設で生活していることで食事についてメリットがあるのは、栄養士の皆さんが考えた食事を毎日食べていることです。この日もメインの肉料理の他に生野菜を添えたり、サラダやフルーツをつけたり、何も指示せずともすべてのグループで栄養のバランスのよいメニューにしようとしていました。毎日の食生活で自然と身についているということです。それとそれぞれ料理の腕はまちまちですが、片付けは全員が協力して手際よくあっという間に済ませていました。食器や鍋を洗い、元の場所に片付け、ごみの分別をしてテーブルや流しをきれいに拭く、そんなことを当たり前に分担している様子が見られました。身についた習慣はこれからの新しい生活でも役に立つことでしょう。

午後は進学についての話をしました。資料を見ながら、進学について何が大変なのか、どのような支援があるのか、先輩たちは何に困り、どう克服したのか。支援について知り、色々な人と相談しながら自分の目標に向かうことの大切さを伝えました。

この日は台風が近づくなかでの一日でしたので、予定よりも終了時刻を早めて解散としました。
参加者のコメントでは、

  • 決められた材料で料理をするのは難しいと思ったが、話し合ってそれぞれの知恵を知ることができてとてもよかった。
  • バランスの良い料理を考えるのはとても難しくて、良い経験でした。
  • 協力してみんなと作ることができた。楽しかったし笑えた。卒業するまでに一人でできるようにしたい。

と充実した様子が見られました。一方で、

  • 毎日考えて作っていくのは難しく大変。
  • 分量がわからなかった。
  • 食材の相場をあまり気にしたことがなかったのでもっと買い物をして知りたいと思った。

などのコメントもありました。進学についてはやはりお金のことがもっと知りたいようなので、次回以降、家計について学ぶ回にてあらためて考える機会としたいと思います。

2018 福祉施設職員のためのワークショップ開催予定

2018年の「児童福祉施設職員のためのワークショップ」の開催は、2018年10月23日(火)・24日(水)の二日間を予定しています。

参加者募集の案内発送は順にお送りしておりますが、遅くになってしまい大変申し訳ございません。お急ぎの方はメールにてデータを送付いたしますので、上部メニュー「お問い合わせ」よりご連絡いただけますよう、よろしくお願いいたします。