自立支援プログラム修了式

昨年9月から始まった今年度の自立支援プログラムも、いよいよ最終回です。

最後のプログラムはオリンピックセンターでの宿泊研修を行ない、エンジェルサポートの18名の参加者と、神奈川フォスターケアサポートプロジェクトからの参加者9名とで、合計27名の高校生が集まり、1月26日と27日の二日間をかけて多くのことを学びました。

オリエンテーションでははじめに、「これまでは法律や金銭管理など、答えのあることを学んできましたが、今日と明日の研修では答えのないことをそれぞれ考えます。」と話がありました。二日間で行う様々なプログラムによって、気持ち、感情、夢、希望…それぞれの心の中にあることを、不安や悩みも含め、自分で認識し、言葉や表現にして伝え、共感し合うことを繰り返します。

一日目のプログラム
  • 気持ちのキセキ: 箱崎幸恵講師によるワークショップ
  • 先輩との対話: 里親・児童養護施設出身者と小グループで語り合います
  • 作文: プログラムを通じて感じたことや学んだことを文章に残します

進学や奨学金についての話題になると、まさに進路が決まる時期でしたので、選択が思った通りににはならなかった子や困難な思いをしていることを語る子もいました。ここ数年で社会的養護下からでも大学や専門学校へ進学を希望する児童が増加してきましたが、奨学金や生活費の支援はまだ限られており、今回の参加者の間でも施設や職員、里親さん、学校の情報や意識によって進路の方向性が決まったことを指摘する子が多くいました。また進学を果たしてもそれで終わりではなく、卒業して就職し生活を続けていくためには多くの試練があることも、みなそれぞれよくわかっていました。将来への不安や世の中の理不尽さを感じながら、それでもお互いの夢を語り合い、励まし合いました。

就寝時間を過ぎても談話室で頭をつき合わせて語り合う高校生たちの様子が見られました。

二日目のプログラム
  • ドリームツリー: 自分の将来の夢を明確にして実現に向かうワークショップ
  • 修了式: 修了証の授与、決意表明の発表
  • パーティ: 懇親の立食パーティ

修了式では参加者の皆さんの施設から施設長先生方、職員の皆様が大勢お越しいただき、また協賛いただいているフィリップモリスジャパン株式会社からも来賓の皆様がお見えになり、修了のお祝いを厳かに執り行いました。参加者全員が一人ずつ壇上にて修了証を授与され、プログラム修了のお祝いに本人が選んだ家電製品やビジネススーツが贈られました。壇上でそれぞれの進路や新生活についての決意表明を発表して、その堂々とした様子は、来賓の皆様からも「いつもの様子とまるで違う。大人になったなあ。」との声があったように、全員とても立派でした。

レセプションホールで立食パーティを行ない、美味しいご馳走をいただきながらお互いの交流を深め、それぞれの連絡先のやり取りをしたり、卒業後にも再会する約束を交わして、たくさんの参加者が時間が過ぎても会場に残っていました。

今年のプログラムにも多くの方のご支援ご協力をいただきまして、自立を迎える沢山の子にとっての成長の機会とすることができました。あらためて心からお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

参加者アンケートから

将来についてこんなに真剣に長く考える時間がなかったから

気持ちや自分のことなど答えのないことを知ることができた。

今まで何となくはわかっていたけど、本当に気づけなかったことに気づけたから

泊まりが楽しすぎる。みんなで深い話をたくさんして、すごく仲が深まった。ドリームツリーが楽しかった。ご飯がおいしかった。みんなとしゃべるのがとっても楽しかった✿

自立支援のプロジェクトに参加して学べた事 沢山あって本当に良かったです! ありがとうございました!!

 

修了式