活動報告」カテゴリーアーカイブ

ファイナンスパーク2013

9月29日(日)に、今年度のエンジェルサポート自立支援プログラムの第二回として、品川学園内ファイナンス・パークにて、金銭管理とライフプランについて学びました。

ジュニアアチーブメント様のご支援により毎年実現しているこのプログラムでは、実在の企業や金融機関などのブースが並ぶ教室の中を仮想の社会と見立て、それぞれ割り当てられた世帯の設定を元に、生活費のやりくりをしながら消費について選択をしていきます。参加者は自分の所得や家族構成を考慮して、決定をしていかなくてはいけません。あちこちで電卓を叩き頭を抱えながら、決断をしていました。

また今回は、別日程で同時に進められている、里親子支援のアン基金プロジェクト、神奈川フォスターケアサポートプロジェクトの自立支援プログラムの参加者も合同で実施しました。大勢の高校生と支援者の中で、おたがい和気あいあいとした雰囲気の中で過ごすことができました。

参加者アンケートの中からご紹介します。プログラムについては以下のようなコメントがありました。

  • とても将来に役に立つことが学べたので、良かった。
  • お金についていろいろ心配だったので、実際にやってみて、なんとなくだけど、イメージができた。
  • 計算は苦手だけど、分かりやすく教えてくれて、とてもスムーズに進めることができました。
  • 今日は楽しくてリアルな将来の生活設計ができてよかったです。

またスタッフに対してのコメントをいくつかご紹介します。

  • みんなフレンドリーで、とても聞きやすかった。
  • 前回よりも、より親切になったように感じられます。皆、一人一人を気にかけてくれていてとても嬉しく思っています。

次回は11月に調理実習を行います。

自立支援プログラム2013

児童養護施設や里親家庭で生活する高校生へ、自立に向けての準備をしていく『エンジェルサポート2013・自立支援プログラム』が始まりました。今年で11年目になるこのプログラム、今年は15名の高校生が参加しています。これから2014年1月まで約半年をかけ5回の課程で、様々な学びと交流を通じて、参加者の皆さんにとって成長の機会となることを期待しています。

9月8日(日)に立川市の子ども未来センターで行われた第一回目のプログラムでは、オリエンテーションの後、臨床心理士の榊原明美さんから「心の健康を理解して幸せになろう!」をテーマに、自分で心の健康を保つ方法について、実習を行いながら学びました。初回のプログラムですので参加者の皆さんはお互いに初めて会ったばかりでしたが、メンタルケアやコミュニケーションについて学びながら、お互いの話をしたり、体に触れたりするプログラムを通じて、打ち解けることができたようでした。

昼休みには芝生の見えるウッドデッキで、お互いに声をかけて一緒にランチをする様子が見られました。

午後は施設を卒業し大学へ進学したエンジェルサポートの出身者から、「将来を考える」をテーマにセッションを行いました。自分の体験を元にして、一人暮らしや進学にかかる費用についての詳細な事例を紹介しながら自立後の計画の立て方を学びました。奨学金や制度についてだけでなく、自分の将来についてよく考えることで、実現させるには進学だけではなく様々な方法があること、また自分自身だけでなく周囲の人に対しても責任を負う覚悟が必要だと語りました。

参加者からのアンケートには多くのコメントがありましたが、いくつかを紹介します。

  •  ためになる話ばかりでとてもよかった。とくに落ち着く方法は重宝します。
  •  (卒園後の進学について)実際に同じ立場の人が説明したので、とてもためになった。
  •  自分の未来について深く考えていかないといけない時期なんだと思うことができました。
  •  充実した時間でした。これからもエンジェルサポートを通して様々な人と関わりを持ち知識を深めたいと思いました。
  •  自分の人生は自分だけだから、良い人生にも悪い人生にもできるということを知れたから。

次回は家計や消費生活について体験しながら学びます。

自立支援活動報告会

5月19日(日)、エンジェルサポートセンターの年次総会が開かれ、2012年度報告と2013年度計画について正会員により承認されました。

総会終了後には「自立支援活動報告会」として、これまで自立支援プログラムを共催してきた、全国8つの施設と団体の活動報告を開催しました。児童養護施設と里親家庭からの自立を控えた高校生等児童に対して、生活技術やコミュニケーション、社会のマナーなどについて学ぶこのプログラムは、2012年度は全国8ヶ所で開催され、87名が課程を修了しました。各会場のプログラム実施内容や運営はそれぞれの団体や施設が行なっているため、お互いに参考にしながらよりよいプログラムにしていきたい、という目的で今回の報告会は行われました。

会場には発表者に加え、プログラムに参加してきた施設の職員の皆様、支援団体や企業の皆様にお集まりいただき、約40名の方にご出席いただきました。

この報告を元にし、自立支援プログラムがより充実した児童への支援となることを期待しています。

報告団体と施設(発表順)
  • NPO法人 エンジェルサポートセンター
  • NPO法人 里親子支援のアン基金プロジェクト
  • NPO法人 神奈川フォスターケアサポートプロジェクト
  • 児童養護施設 あけぼの学園 (青森県)
  • エンジェルサポート福島 (児童養護施設 福島愛育園・青葉学園・アイリス学園)
  • 児童養護施設 神戸少年の町 (兵庫県)
  • 児童養護施設 清心慈愛園 (福岡県)
  • 児童養護施設 島添の丘 (沖縄県)

2013報告会

神戸市での自立支援プログラム

3月27日(水)に兵庫県神戸市の児童養護施設 神戸少年の町にて、エンジェルサポート自立支援プログラムの今年度最終回が行われました。

今回は「卒園生から聞く自立生活」をテーマに、神戸少年の町の卒園生お二人が参加者の高校生12名を前に、それぞれの生活や人生について話をしました。
二人は施設で生活していた高校時代の学校生活やアルバイトについて語り、そこからの進路について、お金について、自立後に困ったこと、家族とのことについて語りました。そして最後に高校生に伝えたいメッセージを強く語りました。悩み迷いながらも一生懸命にそして楽しんで生きている様子が伝わりました。

終了後に、お話をしてくれた卒園生の二人が紙包みを受け取ってうれしそうにしていました。聞くと、施設の調理師さんが作った地元の伝統の味のいかなごの釘煮の包みだそうです。
いかなごの釘煮は、神戸少年の町があるここ神戸市垂水区塩屋町が発祥の地だそうで、ちょうどこの時期にいかなご漁が解禁され、どの家庭でもそれぞれの家伝の味付けで釘煮を始めるそうです。少年の町で育った二人にとっての懐かしい”おふくろの味”は、この釘煮なのでしょう。

この神戸少年の町の自立支援プログラムをもって、全国8会場で行われた2012年度の自立支援プログラムはすべて終了となりました。児童養護施設や里親家庭からの自立を控えた88名がそれぞれの新しい生活に向けての準備を進めることができました。

ご支援ご協力いただきました皆様に御礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

福岡県での自立支援 修了式

3月10日に、福岡県の児童養護施設「清心慈愛園」での自立支援プログラムの今年度最終回が行われました。

今年の参加者は高校三年生の3名でしたが、これまで幼児さんの頃から同級生として一緒に成長してきて、この春卒園し就職や進学していくとのこと。その3名と職員の皆さんとエンジェルサポートセンターのスタッフとで、一年の最終回を締めくくる内容として「ライフプランニング」というプログラムを行ないました。

今までの人生で何があったか、好きだったこと、得意だったことなどを振り返り、これから20代、30代…60代には何をしていたいか、そのためにはいつから何を準備していたらいいか、といったことを紙に書き出すことで、夢や目標を明確化させるためのプログラムですが、今回は同期の3名がお互いに共有できるよう、3mもある模造紙一枚に全員のプランを一覧に書き出してもらいました。

初めはそれぞれ自分の人生について考え、就職、独立、結婚、などの計画を書き出していましたが、しだいに一人が「結婚式をする」と書き込めば他の子が「結婚式に出席する」と書き加えていったり、ひとりが建築の道に進むことから「自分の家も建てて」とコメントしたり、最後には三人ともが、「将来はみんなで家族連れて一緒に旅行とかしてみたい」と語り合っていました。

一人ひとりがそれぞれの人生の夢や目標を具体化させて自覚することと、具体化させた夢を他の人と共有することができ、夢物語ではなく現実としての人生を考えるためのツールとして、これからも使っていってもらいたいと思いました。

プログラム後は修了式を行ない、修了証の授与と、あらためてそれぞれの決意表明を語り、職員の皆さんと一緒にお祝いをしました。このプログラムが多くの子たちにとっての自立へ向けての準備のために貢献できていることに心から嬉しく思います。