活動報告」カテゴリーアーカイブ

自立支援活動報告会

5月19日(日)、エンジェルサポートセンターの年次総会が開かれ、2012年度報告と2013年度計画について正会員により承認されました。

総会終了後には「自立支援活動報告会」として、これまで自立支援プログラムを共催してきた、全国8つの施設と団体の活動報告を開催しました。児童養護施設と里親家庭からの自立を控えた高校生等児童に対して、生活技術やコミュニケーション、社会のマナーなどについて学ぶこのプログラムは、2012年度は全国8ヶ所で開催され、87名が課程を修了しました。各会場のプログラム実施内容や運営はそれぞれの団体や施設が行なっているため、お互いに参考にしながらよりよいプログラムにしていきたい、という目的で今回の報告会は行われました。

会場には発表者に加え、プログラムに参加してきた施設の職員の皆様、支援団体や企業の皆様にお集まりいただき、約40名の方にご出席いただきました。

この報告を元にし、自立支援プログラムがより充実した児童への支援となることを期待しています。

報告団体と施設(発表順)
  • NPO法人 エンジェルサポートセンター
  • NPO法人 里親子支援のアン基金プロジェクト
  • NPO法人 神奈川フォスターケアサポートプロジェクト
  • 児童養護施設 あけぼの学園 (青森県)
  • エンジェルサポート福島 (児童養護施設 福島愛育園・青葉学園・アイリス学園)
  • 児童養護施設 神戸少年の町 (兵庫県)
  • 児童養護施設 清心慈愛園 (福岡県)
  • 児童養護施設 島添の丘 (沖縄県)

2013報告会

神戸市での自立支援プログラム

3月27日(水)に兵庫県神戸市の児童養護施設 神戸少年の町にて、エンジェルサポート自立支援プログラムの今年度最終回が行われました。

今回は「卒園生から聞く自立生活」をテーマに、神戸少年の町の卒園生お二人が参加者の高校生12名を前に、それぞれの生活や人生について話をしました。
二人は施設で生活していた高校時代の学校生活やアルバイトについて語り、そこからの進路について、お金について、自立後に困ったこと、家族とのことについて語りました。そして最後に高校生に伝えたいメッセージを強く語りました。悩み迷いながらも一生懸命にそして楽しんで生きている様子が伝わりました。

終了後に、お話をしてくれた卒園生の二人が紙包みを受け取ってうれしそうにしていました。聞くと、施設の調理師さんが作った地元の伝統の味のいかなごの釘煮の包みだそうです。
いかなごの釘煮は、神戸少年の町があるここ神戸市垂水区塩屋町が発祥の地だそうで、ちょうどこの時期にいかなご漁が解禁され、どの家庭でもそれぞれの家伝の味付けで釘煮を始めるそうです。少年の町で育った二人にとっての懐かしい”おふくろの味”は、この釘煮なのでしょう。

この神戸少年の町の自立支援プログラムをもって、全国8会場で行われた2012年度の自立支援プログラムはすべて終了となりました。児童養護施設や里親家庭からの自立を控えた88名がそれぞれの新しい生活に向けての準備を進めることができました。

ご支援ご協力いただきました皆様に御礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

福岡県での自立支援 修了式

3月10日に、福岡県の児童養護施設「清心慈愛園」での自立支援プログラムの今年度最終回が行われました。

今年の参加者は高校三年生の3名でしたが、これまで幼児さんの頃から同級生として一緒に成長してきて、この春卒園し就職や進学していくとのこと。その3名と職員の皆さんとエンジェルサポートセンターのスタッフとで、一年の最終回を締めくくる内容として「ライフプランニング」というプログラムを行ないました。

今までの人生で何があったか、好きだったこと、得意だったことなどを振り返り、これから20代、30代…60代には何をしていたいか、そのためにはいつから何を準備していたらいいか、といったことを紙に書き出すことで、夢や目標を明確化させるためのプログラムですが、今回は同期の3名がお互いに共有できるよう、3mもある模造紙一枚に全員のプランを一覧に書き出してもらいました。

初めはそれぞれ自分の人生について考え、就職、独立、結婚、などの計画を書き出していましたが、しだいに一人が「結婚式をする」と書き込めば他の子が「結婚式に出席する」と書き加えていったり、ひとりが建築の道に進むことから「自分の家も建てて」とコメントしたり、最後には三人ともが、「将来はみんなで家族連れて一緒に旅行とかしてみたい」と語り合っていました。

一人ひとりがそれぞれの人生の夢や目標を具体化させて自覚することと、具体化させた夢を他の人と共有することができ、夢物語ではなく現実としての人生を考えるためのツールとして、これからも使っていってもらいたいと思いました。

プログラム後は修了式を行ない、修了証の授与と、あらためてそれぞれの決意表明を語り、職員の皆さんと一緒にお祝いをしました。このプログラムが多くの子たちにとっての自立へ向けての準備のために貢献できていることに心から嬉しく思います。

沖縄県での自立支援 修了式

沖縄県の児童養護施設「島添の丘」にて高校生を対象に行われてきた「エンジェルサポート自立プログラム」の今年度最終回が、3月8日(金)に開催されました。この日は消費者センターからの講師を招いて消費者トラブルについての講習と、県警の生活安全課から講師を招きサイバー犯罪についての講習を行ないました。

施設長先生はじめ島添の丘の先生方が熱心に準備をされてきたプログラムで、施設の高校生16人も本当に楽しんで参加してきたということです。会場ではこれまでの活動の様子や写真が掲示されていましたが、どれも楽しそうに取り組んでいる様子がよくわかりました。

今年度の最終回となったこの日のプログラムでは、最後に修了式を行ない、手作りの飾り付けのあたたかな雰囲気の中で、一人ひとりに修了証と記念品の授与と、春からの決意表明を行ないました。緊張した様子でしたが全員がとても立派に自分の言葉で語ることができました。

一日のプログラムを終えて懇親会では、全員でジュースで乾杯し、オードブル、お寿司、ケーキと、ご馳走をいただきながらお互いの新生活について語り合いました。エンジェルサポートセンターのスタッフの元へも何人もの高校三年生がやってきて、それぞれの進路や新生活について話してくれました。

終了後に会場の片付けと掃除が始まると、何を言われたわけでもなく高校生たちが全員で机や椅子を運び、ホウキやモップで床を掃除し始め、あっというまに室内が片付いてしまいました。働き者だと感心しましたが、いつものことだそうです。この自立支援プログラムも希望者のみ参加できると募集したところ、施設の高校生全員が手を挙げて参加したとのこと。積極的な姿勢はとてもすがすがしい気持ちになりました。

島添の丘とは今年度はじめてのコラボレーションでしたが、多くの子たちに自立へ向かう学びの機会のひとつとして開催ができたことをとても嬉しく思います。

エンジェルサポート福島 修了式

福島県内の児童養護施設で生活する高校生を対象にした自立支援プログラム「エンジェルサポート福島」の今年度最終回が3月2日(土)に郡山市で開催されました。昨年11月から自立に向けての社会生活スキル講習を続けてきたこのプログラムに、4箇所の施設から高校生11名が参加してきました。今回は社会人として求められる接遇マナーについて、午前中に講義と午後に実習を行ない学びました。

講習の終了後はプログラムの修了式を行ない、参加者それぞれの施設から施設長先生や職員の皆様と一緒に、修了をお祝いしました。一人ひとりにエンジェルサポートセンターから修了証を授与し、協賛のフィリップモリスジャパン株式会社からは自立のために布団や電化製品などの品物が贈られました。

修了した参加者の皆さんはそれぞれ春からの新生活に向けての決意表明を行ないました。大勢の来賓の前で皆さん緊張した表情でしたが、きちんとした礼儀正しい言葉で語っていました。

エンジェルサポートセンターは、この「エンジェルサポート福島」自立支援プログラムを通じて、施設から自立する児童への支援と施設への支援を行うとともに、被災地への支援をこれからも続けて参ります。