活動報告」カテゴリーアーカイブ

自立支援プログラム2014

2014年度のエンジェルサポート自立支援プログラム(東京会場)が始まりました。

8月31日(日)に立川市のRISURUホールにて初回プログラムが行われ、児童養護施設と養育家庭(里親家庭)で生活する29名の高校生が、自立生活に向けての準備のために参加しました。このプログラムは2002年度に始まり、これまで毎年行われて今年度で13回目の開催となります。

今日から2015年3月まで全5回のセッションを重ね、それぞれの人生の備えとして学び、大きく成長していくための機会にしてもらいたいと思っています。

初回プログラムでは、年間プログラムについてのオリエンテーション、初めて会ったばかりの人との緊張を和らげるウォーミングアップを行なってから、午前中は臨床心理士の榊原明美講師による、コミュニケーションとメンタルケアについて講習を行いました。それぞれにこれまでとこれからと、さまざまな困難なときがあるけれど、それでも心身ともに健康に生きていくために自分や身近な人とできることは何か、実習を交えながら学びました。参加者からは「今すぐ使える方法を教えていただいたので、さっそく実践したい」「一人暮らしを始めると大変なことも増えてくるから、考え方も大切なんだと分かった」などのコメントがありました。

午後からは児童養護施設出身の大学生を講師に迎えて、進学について講習を行いました。この5年程で、児童養護施設からの大学等進学者が大きく増えてきました。しかし奨学金や経済的支援がまだ不充分ななか、どのようにしてそれぞれの進学に、そして卒業と就職につなげていくのか、卒業を控え就職も決まった大学生に、自身の経験を交え「社会的養護における進学」について語ってもらいました。「進学後の目標設定が中途半端だと必ず挫折する」「出身施設や職員との関係が支えになる」「施設児童向けの奨学制度はあるが人数に限りがあるので、この会場にいる参加者の間で競い合うような状況」といった、現在の状況について具体的な解説や、当事者ならではアドバイスがありました。

このテーマは参加者の中でも大きな関心があった内容で、感想にも「進学にあたっての金銭の問題には調べる機会がなかったのでよかった」「現実をつきつけられるし、未来を考えなければならない」「いろいろ調べて、自分でできることはきちんとやって、職員さんにも協力してもらって、不安を取り除けたらいい」などの、とても多くのコメントがありました。進学するためには想像よりも多くの費用がかかることが特に印象に残ったようでした。

次回は9月に人生設計を前提に金銭管理を学ぶファイナンスパークでの学習を行います。同じく里親家庭の高校生を対象に自立支援プログラムを行なっているNPOのアン基金プロジェクト、神奈川フォスターケアサポートプロジェクトと三団体合同で実施し、児童養護施設と里親家庭からの自立を控えた高校生、約60名が一同に集まります。生活技術の習得だけでなく、それぞれ支え合える仲間づくりの機会にもしてもらいたいと願っています。

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自立支援2013沖縄 修了式

3月22日に、沖縄県の児童養護施設 島添の丘にて行われた自立支援プログラムの今年度最終回と修了式が行われました。

今年度は高校生10名が参加し、年間3回のプログラムを通じて、社会的自立に向けた準備を行ってきました。最終回となる今回は、性と生について、色彩と心理について、ビジネスマナーについて、講習を行いました。

講習の後には修了式を行い、修了証の授与とともに、一人ずつがプログラムの感想や新生活への決意表明を発表しました。

島添の丘の子どもたちはこのプログラムだけでなく、行事や家事にもとても積極的に参加するそうです。この日も大人から何も指示されていないうちから会場を準備し、終わってからは会場の片づけを分担して行う様子が見られました。普段は縦割りのユニットでの生活で、高校生は年少の子たちのお世話をすることが多いため、このような高校生だけが集まり自分たちのためのプログラムが行われることは、楽しみで仕方ないということでした。プログラムの効果がより大きなものとして参加高校生に影響していると感じられました。

この沖縄の修了式をもって、全国で行われた今年度のプログラムはすべて修了となりました。ご支援ご協力いただきました皆様に御礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

自立支援 2013神戸

3月21日(祝)に兵庫県の児童養護施設神戸少年の町にて、2013年度の自立支援プログラムの最終回が行われ、昨年8月から始まったプログラムも修了となりました。

神戸少年の町では、エンジェルサポートセンターと連携し、フィリップモリスジャパンの支援を得て、施設からの自立を控えた高校生や中学生を対象に、自立に向けての生活スキルについて学ぶプログラムを、2010年度から行っています。

今年度も14名の高校生がプログラムに参加し、自分自身の人生について準備を重ねてきました。最終回となる今回は卒業生が社会生活を送る自らの体験を話し、語り合うことで、共感し合いながら自立への心の準備を整えていく会となりました。

日本児童養護実践学会2014大会発表

2月15日(土)に日本児童養護実践学会第6回研究大会が目白学園にて行われ、「福島県における施設連携による自立支援活動の実践 ―エンジェルサポート福島の取り組み―」として、エンジェルサポートセンターと福島県の児童養護施設との連携で行われた2012年度の自立支援プログラムについての報告を行いました。

当日の東京は歴史的な大雪で会場までの交通が麻痺し、多くの方が欠席となってしまいましたが、児童養護に携わる方々の前で、複数の施設の連携や地域のリソースの活用によるプログラム実施報告をすることができました。

この発表の機会や、いただいたご意見を今後の活動に反映させ、子どもたちへのよりよい支援をして参ります。

気仙沼での自立支援プログラム

フィリップ モリス ジャパン株式会社と日本財団が行う東日本大震災の被災地の子ども支援共同プロジェクト「Doorway to Smiles」の一環として、2013年度、東北の児童養護施設から自立を控えた高校生を対象に行う自立支援プログラムに、エンジェルサポートセンターも企画・運営の支援をしてまいりました。

3月10日(月)、宮城県気仙沼市にある児童養護施設「旭が丘学園」にて高校3年生を対象に実施されてきたプログラムの、今年度最終回が行われました。調理実習、法律、金銭管理、などについて学んできた最終回では、地域で支援していただいている方々からお話しがありました。

プログラムの修了式では修了証と生活に役立ててほしいと生活用品のプレゼントが授与され、一人ずつ新生活に向けての決意表明を行いました。震災からちょうど3年、気仙沼で高校時代を過ごし、瓦礫が撤去され更地が広がる町から自立をしていく若者たち。学園では理事長先生、施設長先生はじめ、多くの職員の皆様が生活を支え、また地域の支援者の方々からも見守られ、自立の春となりました。

今回のプログラムで学んだことを生活に役立ててもらいたいことと同時に、この会をきっかけに、人と人との繋がりを大切にして、幸せな人生を送ってもらいたいと願います。