自立支援」カテゴリーアーカイブ

わたしのみらい2016 金銭管理と個別相談

エンジェルサポートセンターとアクセンチュア株式会社の協業による、高校生のための自立支援・就業支援プログラム「わたしのみらい2016」が始まりました。

エンジェルサポート・自立支援プログラムをこれまでも実施してきましたが、現在は高校3年生が中心となって、施設等の退所前に学ぶ機会となっています。一方で、就業、進学、ライフプラン、自己分析、など早く準備を始めたほうがよりよいとして、このプログラムが始まりました。アクセンチュア、三井住友海上、東京医科歯科大学の協力を得て、職場見学、大学見学、職業体験、社会人スタッフとの交流、個別コンサルティング、などによって、将来への不安を減らし自信をつけていく機会とします。

記念すべき第一回プログラムを11月6日にアクセンチュア社のオフィスにて行いました。この日のテーマは「社会人とは・大人とは・働くとは」「暮らしとお金の管理」として、アクセンチュアの社員ボランティアの皆様から講義とワークで実践的に学ぶことができました。また個別相談会として進路希望や職業についてコンサルティングをしていただきました。高校卒業後に大学進学を希望していた参加者が、話し合いながら支出計算をしていったところ、予想を大きく超える費用がかかることを実感し、現実を知る機会となったり、社員ボランティアの方と個別に相談していくうちに自分の考えが堅実なものであることを知って安心したり、それぞれの人生計画に大きな影響があったようです。

アクセンチュアのボランティアの皆様は、参加者一人に二人がサポートしていただき、多くの資料から実際にかかる費用や実例などその参加者に適切な情報を挙げて相談に乗ってくださいました。参加者のアンケートにも「自分たちに合った説明をしてくれた」「すごく手厚くて安心した」「親身になってお話ししてくれてとても感謝しています」といったコメントが見られました。

プログラムのタイトルどおり、参加者それぞれが自分の未来について考える機会とするこの「わたしのみらい」は今年度あと二回を予定しています。次回は12月に保険会社で実際に仕事をしているところを見学、大学見学を行います。児童養護施設、里親家庭の高校1・2年生を中心に参加者を募集していますので、案内をご希望の方がいらっしゃいましたらメールにてお問い合わせください。

多摩ユースサロン 料理大会

10月30日(日)に多摩ユースサロンの今年度2回目のイベント「料理大会」を、立川市女性総合センターアイムにて開催しました。

前回に引き続き、三多摩児童養護施設協議会との連携で複数の児童養護施設が合同で行う出身者のサポート事業に、エンジェルサポートセンターは事務局として参加しました。

今回は児童養護施設の栄養士さんたちのグループにも協力を願い、ひとり暮らしの料理大会として、安くて栄養バランスのとれた料理づくりをしよう、と計画していましたが、参加者の人数が少なく、また料理が得意だったため、食べたいものを作る料理大会に変更しました。
料理本やインターネットからレシピ検索をして材料を買い出しに出て、自立支援コーディネーターグループ、栄養士グループ、参加者、エンジェルのスタッフ、全員で手分けして料理を作り、全員でおいしくいただきました。栄養士さんたちのプロの技は参考になることが多くありましたし、それぞれ一手間が加えられた料理はどれもとても美味しく、大いに楽しみました。

洗い物を終えた後もお茶を飲みながらおしゃべりをして、今回も時間いっぱいまで楽しく過ごしました。参加者からも「おいしかった」「楽しかった」との感想がありました。

今後も多摩ユースサロンでは楽しい集まりを継続して、交流と情報交換の機会として多くの皆さんが集まる機会を提供していく予定です。

 

幸せワークショップ

10月23日(日)、2016年度の自立支援プログラムの第三回目のセッションとなる、「ハッピーワークショップ」を開催しました。

「幸せとはなんだろう?」ということを研究している講師から、どのようにすれば人は幸せを感じられるのか、という話をしてもらい、そこからどのようにしたら幸福度を高めていけるのか、と実際に幸福度を高めていくグループワークを行いました。さらに幸福度が高いとどうなるのか、と解説がありました。一日の最後にはグループで寸劇を作って披露しました。

参加者のアンケートには、

  • とにかく色々なことに感謝することは大切なんだな、と思いました。
  • もっともっと自分で自分を幸せと思えるように、まず自分の好きなことを見つけたい。
  • エンジェルサポートのなかで一番楽しかった。たくさんコミュニケーションがとれたから。

といった感想がありました。

今年度のプログラムも半分が終わり、残りあと2回となりました。次回は12月に法律と契約、ハラスメント、について学びます。

2016身だしなみ講習会

10月2日(日)、社会人になる前の身だしなみを学ぶ「2016エンジェルラウンジ身だしなみ講習会」を実施しました。

今回も資生堂社会福祉事業財団のご支援をいただき、資生堂ジャパン、AOKI、両社の皆様に講師を御担当いただきました。自立を控えた児童養護施設の高校生男女10名が参加し、講習会を行ないました。

午前は資生堂による女子はメーク講習、男子はスキンケア・ヘアケアの講習を行ない、メークや髪型について体験しました。実際に女子はそれぞれ自分の顔立ちの特徴をつかみながら指導を受けて社会人らしい大人のメークを完成させ、男子は洗顔や髭そり、ヘアスタイルなどの身だしなみの心得を実際に体験しながら学びました。

午後はAOKIのスーツ講座として、男女それぞれ参加者に実際にスーツを着てモデルとなってもらい、それを全員で見ながらスーツの選び方、着こなし方、マナーを学ぶことができました。

参加した高校生たちは講師の話を聞きながら熱心にノートをとり、実習ではそれぞれの顔立ちや肌の色に合わせた化粧品を選んでもらいながら、習ったとおりに進めていくにつれ少しずつ変わっていく自分たちの姿を見て、だんだんと笑顔が増え、会話が増え、嬉しそうに学んでいる様子でした。

参加者からの感想文では、「なかなか人に聞けないことだからよかった」「知らないと恥ずかしいことから知ってると得することまで色々学ぶことができた」「また参加したい」「面接に役立てていきたい」といったコメントがありました。また、休憩時間や終了後にも講師に質問をして、意欲的に参加をしている様子も見られました。

なかなか習う機会もなく、大人でも間違った知識のままでいることも多い、メークやスーツについての知識ですが、これから就職や進学を控えた高校生のときから正しい方法を学べたことで、知識だけではなく自信をつける機会にもなったようでした。

栄養と料理/暮らしとお金

9月18日、児童養護施設と里親家庭からの自立を支援する、エンジェルサポートプログラム2016の第二回セッションを行いました。

今回のテーマは「栄養と料理」「暮らしとお金」です。

午前中は調理実習を行い食事と食費について考えました。グループに分かれて予算内で献立を立てて、会場内で「買い物」をして実際に調理をして食べる、という行程で実習を行いました。参加者の料理のレベルはまちまちでしたが、グループそれぞれで話し合いから料理、片付けまで役割分担をして、手際よくできていたようでした。予算内で料理を完成させることが心配そうでしたが、どのグループも充実したメニューでも費用は安く抑えることができていました。またサラダや野菜を一品添えるようなバランスのとれた献立を組み立てることができていました。

 
 

午後からは一人暮らしの家計について講義と実習を行いました。就職した場合と進学した場合、それぞれグループに分かれて、給与の手取り金額や奨学金などを元に、支出費目を考え、それぞれどのくらいの額が必要か、お互いに相談して考えていました。「移動は徒歩か自転車にして交通費はゼロ」というような意見もありましたが、だんだんと現実的な数字に収まっていったようです。実際の想定を目の当たりにして、皆それぞれ近い将来の現実について考える機会になったようでした。

 

参加者からの感想には以下のようなものがありました。

  • 調理で、食べたいものや作ろうと思っているものを決めるだけでなく、その予算や、栄養も考えなければならないのだと学びました。
  • 家でごはんを作った方が外食したよりも1/4くらい安いなと感じました。
  • 一人暮らしをしたとき、どんなものにどれくらいお金がかかるのか。一人暮らしはけっこうギリギリで大変。無駄遣いはできない。
  • 具体的な収入、支出を書き表すと、いろんなところで節約ができたり、足りないところが分かってよかった。
  • 額面と手取りが少々わかりづらかった。額面でどれくらいなのかなって思った。
  • 大人は一ヶ月の家計をどのように計画立てているか知りたい。

次回は10月に「幸せとは?」をテーマに幸福論、レジリエンスについて学びます。