活動報告」カテゴリーアーカイブ

2019自立支援 法律と契約/暮らしとお金

11月24日、立川市女性センターアイムにて、自立支援プログラム東京会場の今年第2回めのセッションを行いました。

午前は司法書士の皆様を講師に招き、法律と契約について学びました。午後は株式会社アクセンチュアの社員の皆様にお越しいただき、金銭管理を学ぶ時間としました。どちらも重要なテーマで内容も難しいのですが、工夫していただいてとても取り組みやすく進めていただきました。

午前の契約については、チームごとに分かれてクイズに答えていくことで悪質商法や契約トラブルなどの事例について考えていきます。まず問題が出されて選択肢のうち第一印象で正解だと思うものを上げていき、そこからグループで話し合って答えを決めていきます。その話し合いの過程でも、実際に同じような経験をしたことがある人がいたり、第一印象ではAという選択肢を選んだのは一人で、他の全員がBを選んだのに、話し合いの結果、グループとしてはAに決定する、という様子も見られました。単に多数決ではなく何が正しいのかを考えることができていると思いました。

午後は金銭管理として、施設を出て一人暮らしをする状況を想定して、一ヶ月の家計の収支を計算することを実際にやってみました。支出の費目はどのようなものがあるか、それぞれどの程度の金額が必要なのかを、自分一人ではなくグループで相談しながら行うため、それぞれの価値観が異なっていたり、金銭感覚の違いも現れてきて、とてもおもしろい様子でした。

進学希望の人たちのグループでは、学費や生活費を自分で捻出するため、どうしてもアルバイトの時間が長くなってしまい、学業に支障をきたすのではないかと心配する声がありました。そこで前回学んだ給付型奨学金や学費免除の制度を使うことで、どの程度の援助になるのかを実際に電卓を叩いて計算してみました。前回は制度としては学んだものの、こうして自分のこととして体験することで、より理解が深くなり身についたようでした。

今回は法律や家計のテーマでしたが、実際にはそこから自分自身がどのような暮らしをして、何に消費をすることで何を重視する人生を送るのか、それをお互いに知る機会だったと思います。一人ひとりが自分の考える幸せな人生を送ってもらいたいと、エンジェルサポートセンターでは願っています。

2019サロン・ド・エンジェル忘年会

12月8日、立川女性センターアイムにて、エンジェルサポートセンターの主催する、施設等出身の皆さんと過ごす会「サロン・ド・エンジェル」の忘年会を行いました。
今回は好きな料理を自分たちでつくって食べることをやろうと企画しました。
参加者が少なく寂しかったのですが、ならば豪勢にということで、何を食べたいか考えて、ステーキ、うなぎ、ケーキということになりました。
近くのハナマサまで買い出しにでかけ、食材を見ながらああでもないこうでもないと言い合いながら、普段の食生活など暮らしの様子も話したりしました。
戻ってからは手分けして料理を手際よくすすめ、手早く完成させて、どれも美味しくいただきました。
食事をしながら、仕事のことや生活のこと、これからのこと、など、じっくりと話をすることができました。少人数ならではのメリットがあったと思います。
参加者の中にパン工場で働いている人がいましたので、今度はここでその人に講師になってもらってパンを一緒に焼こう、という話も出ました。
わいわいとにぎやかないつもと様子が少し違いましたが、とてもいい会でした。

2019自立支援プログラム東京 調理実習/進学

10月27日、2019年の東京での自立支援プログラムが始まりました。今年は12名の高校生が参加して、児童養護施設からの自立に向けての準備を行います。

初回は複数の施設から参加してきた参加者同士で自己紹介を行い、グループに分かれて料理実習としました。
作りたいメニューをグループのメンバーで決めて、スマホからレシピを検索します。会場内に用意した材料を予算内で「買い物」して、分担して作ります。またくじ引きでスペシャル食材を選んでもらい、必ず使わなくてはいけない材料を決めてもらいました。それぞれ豆腐、もやし、卵となりました。これは消費期限の近い食材を使い切るイメージです。一人暮らしの自炊と同じことをシミュレーションしてみるのです。

それぞれ料理の得手不得手がありますが、協力したり工夫したりしながら、どのグループも上手に仕上げることができました。スペシャル食材で豆腐を引いたグループはハンバーグの生地に練り込んで豆腐ハンバーグにして、美味しくできていました。

午後は進学について話をしました。これまでの先輩たちの様子なども伝えながら、進学を成功させるために必要なことはなにか、また資金計画の立て方、資金繰りについても話しました。新たな学費免除や生活費支援の制度についても説明し、自分でよく調べるように繰り返し伝えました。

参加者のアンケートでは、

  • 調理実習でグループでメニューや役割を話し合ったりしてスムーズにできた
  • 生活に必要なお金を現実的に知ることができた
  • 高等教育の就学支援新制度についてよく調べようと思った

といったコメントがありました。特に就学支援新制度については、これまであまり情報がなかったため、初めて聞いた人が多いようでした。

次回も同じメンバーでまた異なるテーマでプログラムを行います。自立のための多くの学びの機会になることを期待しています。

児童福祉施設職員のワークショップ2019

10月8日・9日の二日間、パレスホテル立川にてテレビ朝日福祉文化事業団の主催による、「児童福祉施設職員のためのワークショップ」が実施されました。今回もエンジェルサポートセンターは事務局を担当させていただきました。

サンフランシスコ州立大学名誉教授の田中万里子先生を講師に迎え、東北から沖縄まで全国の児童養護施設や保育園、児童福祉施設から職員20名が、子どもたちに対して共感的に関わること、子どもの気持ちに寄り添うことを学ぶ機会となりました。

今年も、講義とグループによる事例検討と講師からのコメント、また体を使ったエクササイズや姿勢の大切さを学ぶ二日間でした。

多摩ユースサロン夏2019

8月18日、東京都多摩地区の児童養護施設出身者が集まる「多摩ユースサロン」の夏のイベントが開催されました。

今回は体育館を借りてバスケットボールとフットサルを行いました。施設出身者17名と、パートナー、または子どもたちを連れて参加した人もいました。職員とエンジェルのスタッフ、弁護士さんといった支援者も一緒になって、皆でチームを作って汗を流しました。ある施設からは副施設長もチームに参加、また別の施設長は応援の声をかけていました。

十分に楽しんだ後は近くの温泉施設に移動、参加者も職員も皆でお風呂に入ってさっぱりと汗を流し、さらに夜は交流を兼ねて食事会です。運動したぶん、多くの参加者が大盛りご飯を追加する様子が見られました。

参加者のアンケートでも、ほとんどの人が「楽しかった」「またスポーツがしたい」との声が多くあり、満足度は高かったようでした。

終了後、まだ時間のある人たちで三次会に向かい、別々の施設出身で年齢もバラバラでも、この日はじめて出会って親しくなった同士でお酒を飲みながらいろいろの話をして過ごしました。今後のサロンについても積極的に企画や運営に参加したいとの声があり、とても充実したプログラムになっていくことと期待しています。

多摩ユースサロンでは毎月サロンを開催しています。食事やお茶を楽しみながらおしゃべりしたり、困ったことには相談したりできる集まりです。現在は三多摩地域の児童養護施設出身の方と、全国のエンジェルサポートプログラム出身の方を対象にしています。