活動報告」カテゴリーアーカイブ

福島の高校生への自立支援

エンジェルサポート自立支援プログラムを福島県の児童養護施設を対象に実施します。

昨年の東日本大震災と原発事故の後、大きな負担と不安を感じていながらも高校を卒業し施設を退所して新しい生活を始めていく彼らへ、私達ができる支援は何かと考えました。そして、これまで各団体や施設で行なってきた自立支援プログラムを、フィリップモリスジャパン株式会社の協賛をいただき、福島県内の児童養護施設の先生方とともに活動していきます。

施設の先生方で実行委員会を組織し参加者を募集、4施設から高校生12名の申込みがありました。11月17日に郡山市で行った初回の講習では、丁寧に準備された教材を元に、熱心な講師スタッフの皆様と一緒に、冠婚葬祭や食事のマナーを真剣に学びました。来年3月までの3回のプログラムで、社会生活に必要な知識や技術を学び、同じように施設で生活し自立を迎える仲間と交流します。

エンジェルサポートセンターでは、このエンジェルサポート福島・自立支援プログラムを通じて、これからの福島を担う若者たちへの自立支援と、児童養護施設への支援をすることで、被災地への支援をしてまいります。

ファイナンス・パーク

10月28日(日)、エンジェルサポート自立支援プログラム2012の今年度第2回プログラムとして、公益社団法人ジュニア・アチーブメント日本の運営する品川ファイナンス・パークにて、金銭管理とライフプランについて学びました。

実際に参加者に年収や家族構成などの異なった条件を設定し、その条件の中でどのような消費生活を行うか決断し、計画と選択を行うことで、家計や生活、人生設計について学ぶ機会となりました。

また今回は、別日程で同時に進められている、里親子支援のアン基金プロジェクト、神奈川フォスターケアサポートプロジェクトの自立支援プログラムと参加者合同で行ったため、参加者44名、全体で70名という大勢での回となりました。グループ活動やランチタイムでは楽しそうにおしゃべりする様子が見られました。

参加者アンケートではプログラムについて、

  • 支払うお金がこんなにあるんだ、と思った。
  • 予算を超えてしまったので考えて使わなくてはいけないと思った。
  • これからの生活水準を決められるようになると思う。

といったコメントがありました。またスタッフについては、

  • とてもわかりやすく的確なアドバイスをもらえた。
  • 皆さんとても親切でした。

といったコメントがありました。

次回は11月に栄養管理と調理実習について学びます。

 

身だしなみ講習会を実施

10月8日(祝)に立川市女性総合センター・アイムにて、児童養護施設と里親家庭で生活する高校生を対象に「資生堂エンジェルラウンジ2012 身だしなみ講習会」を実施しました。

今年で三回目となる今回の講習会でも例年同様に、公益財団法人資生堂社会福祉事業財団のご協力をいただき、株式会社資生堂、株式会社AOKI両社から講師をお招きして、社会人になる前に準備をするという趣旨で講習を行いました。

午前は資生堂の講師の皆様による講義と、男女に分かれて男子はスキンケアやヘアケア、女子は基本からのメークについての実習を行い、実践的に学びました。午後はAOKIの講師の皆様と、参加者に実際にスーツを着用しモデルになってもらい、スーツ講習を行いました。またビジネスシーンに必須な立ち姿勢やお辞儀の仕方などのマナー講座も行いました。

いずれも確かな技術と知識の上に楽しく親しみやすい講座に、参加者の高校生たちはとて楽しみながら学ぶことができたようでした。終了時のアンケートには「くわしく教えていただき楽しく正しい知識が身についたと思います」や「面接等で使える知識がいっぱいだった」といったコメントがありました。

他団体や企業がお持ちの知識や技術を、社会的自立を控えた子どもたちに伝えていただけることは、一人ひとりの成長だけでなく、自信を回復させていくこと、また、社会との繋がりを持つことなど、多くの子達にとってかけがえのない好機であると考えます。このような貴重な機会をいただけましたことに心より感謝いたします。

自立支援プログラム2012

9月2日(日)に立川市女性総合センター・アイムにて、今年度第一回目の自立支援プログラムを開催しました。

10年目の節目となる今年のプログラムはこれから2013年1月まで、さまざまな内容で全5回を実施し、施設から出て新しい生活を始める高校生たちを支援します。

今回はオリエンテーションや自己紹介の後、エンジェルサポートセンターのメンバーでもある臨床心理士の榊原明美さんを講師に、自分でできる心の健康の保ち方やコミュニケーションについて、実習とあわせながら学びました。

初めての環境に緊張していた参加者たちも、お互いを知るゲームや明美先生のトークで次第にリラックスしてきたようすでした。ランチタイムには声をかけあって一緒にお弁当を食べたり、お互いの施設での暮らしの違いについて話したりして、盛り上がっていました。

午後はライフプランニングを学びました。まず児童養護施設出身で高校時代には自立支援プログラムに参加をしていた大学生が、自らの体験を元に高校時代のことから進学して今まで、費用や生活などのことについて語り、「大変だけど頑張れば応援してくれる人は必ずいる」と後輩たちにメッセージを贈りました。

また東京都による調査の結果から、施設出身者が生活の中で困っていることなどについて触れ、社会の中で孤立するのではなく、困ったことやわからないことがあったらいつでも相談することが大切だということを学びました。

最後に「夢の本質」についての話があり、就職や進学について考えるときに、本当に実現したいことは何なのかを自分で確かめることが大切だ、ということを学びました。

長い一日のプログラムでしたが、参加者の皆さんはよく頑張って熱心にメモをとりながら話を聞いていました。終了後のアンケートには以下のようなコメントがありました。

  • 本当に自立に必要な基本的なことやたくさんのことを学べた。
  • 応援してくださっている人がたくさんいることに気づけた。
  • 実際に施設を出て進学した人の話を聞けたのはすごくよかった。
  • 皆さん親切で優しかったです。

これから多くのことを学び成長していく彼らに寄り添い見守っていきます。次回は10月に金銭管理と消費生活について学びます。

 

10年目の活動にあたり

2003年8月にエンジェルサポートセンターがNPO法人として認証されてから9年が過ぎ、10年目に入りました。

これまで参加されたすべての参加者の皆さんに深く感謝します。またご支援いただいた企業、団体、施設、里親、多くの支援者の皆様と、活動にご協力いただいたボランティアスタッフの皆様にも、心から御礼を申し上げます。

今年も9月から東京にて自立支援プログラムを始めます。10期生として19人の高校生が集まりました。来年の春にかけて様々な体験を通じ、互いに支え合い、励まし合い、影響し合いながら一人ひとりが自立への準備をすすめていきます。

これからもさまざまな方法で日本の児童養護を支援してまいります。これまでの9年の皆様のご支援にあらためて感謝申し上げます。これからもともに、子どもたちへの自ら生きるための支えとなっていただけますよう、新しい挑戦をする子どもたちの希望となっていただけますよう、心から、よろしくお願い申し上げます。