活動報告」カテゴリーアーカイブ

健康的で経済的な毎日の料理

11月16日、自立支援プログラムの三回目として調理実習を行いました。

今回のメニューは、エンジェルサポートセンターが自立支援プログラムを始めたころからの伝統レシピ「三日鍋」です。大きな鍋にポトフを作り置きして食べ、翌日は残った鍋をミネストローネに、さらに翌日にはカレーにして、少ない手間と費用で飽きずにしかも栄養豊富な一品です。

また、ほうれん草のごま和えでは、すり鉢でごまを摺る作業を人生で初めて体験した参加者がほとんどでした。他にご飯や三種のサラダ、デザートまで、よくがんばって作り、どれも美味しくできていました。

片付けを終えて、午後は今日の献立と材料費を見比べながら、一人前の食費がいくらかかっているのか、節約できる点や外食との金額差がどのくらいになるのか、電卓を叩きながら一緒に考えました。

アンケートの感想から

・これから一人暮らしをするのでとてもよい体験になったと思った。
・外食の方が楽だけど、自炊した方が健康的にも経済的にも良いなと思いました。
・健康に気をつかいながら、低コストで考えられるようになった。

・三日鍋はすっごく役に立つと思った。
・料理の豆知識をもっと知りたいと思った。

食事は毎日欠かせないことです。この一回の実習だけで準備が全て整った、ということではありませんが、参加者一人ひとりがそれぞれの経験と知識として蓄積し、自信を回復させていくと同時に、これから日常のなかで料理を習慣づけていくきっかけにしてもらいたいと思います。また、グループで一緒に作業をした参加者同士もずいぶんと打ち解けてきたように感じられました。

次回は12月に法律について学びます。

児童福祉施設職員ワークショップ

10月29日と30日の二日間、ザ・クレストホテル立川にて、テレビ朝日福祉文化事業団の主催による、「児童福祉施設職員のためのワークショップ」が実施されました。今回もエンジェルサポートセンターは事務局を担当させていただきました。

サンフランシスコ州立大学名誉教授の田中万里子先生を講師に迎え、青森から福岡まで全国の児童養護施設や保育園から職員33名が、児童の心理や気持ちの理解を深め、効果的なコミュニケーションについて研修を行いました。今回は特に「子どもの心を聴く」をテーマとして、子どもの行動や心についての理解を深めるとともに、スキルを体験しながら学ぶことで、実践に役立つ研修となりました。

身だしなみ講習会2013を開催しました

10月19日に立川市子ども未来センターにて、「資生堂エンジェルラウンジ・身だしなみ講習会」を開催しました。

児童養護施設や里親家庭の高校生を対象に、社会人としての身だしなみやマナーを学ぶ講習会は毎年秋に行われ、今年で四年目になります。今回も公益財団法人資生堂社会福祉事業財団のご協力をいただき、資生堂販売株式会社、株式会社AOKIから講師をお招きして、初心者の高校生でも社会人としてのメークとスーツについての講習を行いました。

参加者の皆さんはこの日に初めて会ったばかりでも、お互いに出来栄えを確認し合いながら楽しそうに取り組んでいました。

修了後のアンケートでは「優しく教えてくださったからとてもよかった」「すごく楽しく講習を受けることができました」といったコメントや、「資生堂の方はとてもキレイでした。美しい人間を目指すと資生堂の方たちみたいになるのかなと思いました」「AOKIの方のスーツの着こなしはとてもカッコよく、これから就職する自分にとって素晴らしい体験になりました」というコメントもありました。

このプログラムでは、技術や知識を学ぶためだけではなく、様々な職業に就いている多くの方との交流が、参加者それぞれの将来の就労や人生に多くの影響を与える機会になると考えています。これからどのような道に進んでも、この講習会で学んだことを思い出して、人生に活かしていってもらうことを願います。

ファイナンスパーク2013

9月29日(日)に、今年度のエンジェルサポート自立支援プログラムの第二回として、品川学園内ファイナンス・パークにて、金銭管理とライフプランについて学びました。

ジュニアアチーブメント様のご支援により毎年実現しているこのプログラムでは、実在の企業や金融機関などのブースが並ぶ教室の中を仮想の社会と見立て、それぞれ割り当てられた世帯の設定を元に、生活費のやりくりをしながら消費について選択をしていきます。参加者は自分の所得や家族構成を考慮して、決定をしていかなくてはいけません。あちこちで電卓を叩き頭を抱えながら、決断をしていました。

また今回は、別日程で同時に進められている、里親子支援のアン基金プロジェクト、神奈川フォスターケアサポートプロジェクトの自立支援プログラムの参加者も合同で実施しました。大勢の高校生と支援者の中で、おたがい和気あいあいとした雰囲気の中で過ごすことができました。

参加者アンケートの中からご紹介します。プログラムについては以下のようなコメントがありました。

  • とても将来に役に立つことが学べたので、良かった。
  • お金についていろいろ心配だったので、実際にやってみて、なんとなくだけど、イメージができた。
  • 計算は苦手だけど、分かりやすく教えてくれて、とてもスムーズに進めることができました。
  • 今日は楽しくてリアルな将来の生活設計ができてよかったです。

またスタッフに対してのコメントをいくつかご紹介します。

  • みんなフレンドリーで、とても聞きやすかった。
  • 前回よりも、より親切になったように感じられます。皆、一人一人を気にかけてくれていてとても嬉しく思っています。

次回は11月に調理実習を行います。

自立支援プログラム2013

児童養護施設や里親家庭で生活する高校生へ、自立に向けての準備をしていく『エンジェルサポート2013・自立支援プログラム』が始まりました。今年で11年目になるこのプログラム、今年は15名の高校生が参加しています。これから2014年1月まで約半年をかけ5回の課程で、様々な学びと交流を通じて、参加者の皆さんにとって成長の機会となることを期待しています。

9月8日(日)に立川市の子ども未来センターで行われた第一回目のプログラムでは、オリエンテーションの後、臨床心理士の榊原明美さんから「心の健康を理解して幸せになろう!」をテーマに、自分で心の健康を保つ方法について、実習を行いながら学びました。初回のプログラムですので参加者の皆さんはお互いに初めて会ったばかりでしたが、メンタルケアやコミュニケーションについて学びながら、お互いの話をしたり、体に触れたりするプログラムを通じて、打ち解けることができたようでした。

昼休みには芝生の見えるウッドデッキで、お互いに声をかけて一緒にランチをする様子が見られました。

午後は施設を卒業し大学へ進学したエンジェルサポートの出身者から、「将来を考える」をテーマにセッションを行いました。自分の体験を元にして、一人暮らしや進学にかかる費用についての詳細な事例を紹介しながら自立後の計画の立て方を学びました。奨学金や制度についてだけでなく、自分の将来についてよく考えることで、実現させるには進学だけではなく様々な方法があること、また自分自身だけでなく周囲の人に対しても責任を負う覚悟が必要だと語りました。

参加者からのアンケートには多くのコメントがありましたが、いくつかを紹介します。

  •  ためになる話ばかりでとてもよかった。とくに落ち着く方法は重宝します。
  •  (卒園後の進学について)実際に同じ立場の人が説明したので、とてもためになった。
  •  自分の未来について深く考えていかないといけない時期なんだと思うことができました。
  •  充実した時間でした。これからもエンジェルサポートを通して様々な人と関わりを持ち知識を深めたいと思いました。
  •  自分の人生は自分だけだから、良い人生にも悪い人生にもできるということを知れたから。

次回は家計や消費生活について体験しながら学びます。