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エンジェルサポート2015 東京プログラム修了式

2月27日から28日にかけて、2015年度のエンジェルサポート自立支援プログラム東京会場の最終回を行ないました。
例年と同様、今年もオリンピック記念青少年総合センターにて宿泊をしながら研修を実施、またNPO法人神奈川フォスターケアサポートプロジェクト、NPO法人里親子支援のアン基金プロジェクトとも合同で実施し、児童養護施設と里親家庭から34名の高校生が集まりました。

初日のプログラムは、感情ビンゴを使ってウォーミングアップをすることでお互いを知り話ができるようになりました。

夜のプログラムでは、参加者の皆さんと同様に、児童養護施設、里親家庭出身の7名の男女に集まって頂き、高校を卒業して自立生活を始めてからの就職や進学、生活、家族、お金など、それぞれ自分自身についてお話しをしてもらいました。
グループに分かれて少人数での話し合いができたので、具体的な内容にそれぞれ踏み込むこともできたようでした。施設等退所を目前にした今の時期、環境の変化や新しい生活が具体的に見えてきたことであらためて感じる不安が、自分だけではなく他の参加者も同じように感じていたことを知ることができたり、自分と同じ立場だった先輩たちがどのように乗り越えてきたのかを知ることができる貴重な機会とすることができました。
長い時間でしたが集中して話をしていたようでした。その後、就寝時間が過ぎても館内の談話コーナーでは明かりが点いたままでした。

翌日、ほとんど眠っていない様子でしたが、それぞれ泊まった部屋の掃除をしてから食事をとり、時間通りに集合してプログラムを始めることができました。
午前のプログラムは、自分の夢や目標を明確にして実現しやすくするための大南和宏講師のドリームツリーワークショップを行ないました。

年間のプログラムの最終回となり、修了式を執り行いました。児童養護施設から施設長先生はじめ職員の皆様、養育家庭の会、支援企業、支援団体の皆様、20名の来賓の皆様にお越しいただきました。
ひとりずつ壇上に上がり修了証を授与、また協賛をいただいて、布団や冷蔵庫など、新生活のために必要なそれぞれ希望する生活用品やスーツの授与が行われました。
この生活のためのプレゼントを私達は「ホープチェスト」と呼んでいます。これまでフィリップモリスジャパン株式会社からのご支援でプログラムの運営とホープチェストプレゼントを行うことができました。この数年は全国で支援を必要としている高校生が増加してきましたが、今年はホンダ販売労働組合の皆様からご支援をいただき、継続することができました。
また株式会社AOKIのご協力をいただいて、ビジネススーツを贈ることもできました。
経済的支援はとても重要です。夢や仲間だけでは生きていけない現実があります。

さらに新生活へ向けての決意表明を行い、それぞれの目標を全員が堂々と宣言しました。これは将来の夢や願望を人に聞かせるための会ではありません。具体的な目標を宣言することで自分が実現させる可能性を高めるための「パブリックコミットメント」です。
それも参加者、スタッフ、職員、支援者といった、お互いを理解している安全な人間関係の中で行うことで、より具体的な目標を宣言することができます。
この日も、新生活や仕事、学校などでの具体的な目標を掲げることができていたようでした。実現することへの少しでも助けになったらと願っています。

修了式の後には全員でパーティ会場に移動し、食事をしながらおしゃべりをしたり写真を撮ったり、楽しい時間を過ごしました。

今年もまた東京でのプログラムを無事に終えることができました。様々な境遇のなかで困難な状況でありながら18歳で自ら道を切り拓いていく若者たちへ、たくさんのご支援をいただき心から感謝を申し上げます。まことにありがとうございました。

参加者の感想から
  • 同じ境遇の人と一緒に進路やこれからについて考えることができる機会が少ないので、このプログラムに参加できてよかった
  • これからもずっと続けていきたいと思える大切な仲間に会えたことが財産
  • 知識だけではなく人とのつながりも得ることができた
  • もっと話していたかった。講義も楽しかったし、もっとみんなと過ごしたかった

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福島県での自立支援

2月20日、エンジェルサポート福島の2015年度自立支援プログラムへ主席しました。今年度3回のプログラムの最終回です。

この福島でプログラムを始めたのは震災後の2012年でした。生活する場所や就職先にもさまざまな困難があった福島で、新しい人生を始めようとする彼らに、なんとか支援ができないだろうかとの思いで始めました。福島市内の3つの児童養護施設で幹事施設となっていただき、県内すべての施設へ参加者を募り、高校生たちが集まって、新しい生活に向けての準備をする機会として、毎年続けることができています。今年も県内6施設から11名が参加しています。

今日の回では午前に消費生活センターからの講師を迎えて、契約や悪質商法についての講習をしていただき、午後は県内の美容師さんから身だしなみ講習を行っていただきました。社会人としての心構えや実際の技術を学ぶことができました。
女子は自分にあったカラーやメーク方法を少しずつ体験しながら学び、男子は社会人一年生として適切な髪型を、一人ひとりセットしてもらいました。普段あまり髪は気にしていない参加者もいましたが、前髪を上げて髪型を変えるだけで印象が変わるだけでなく表情まで明るくなり自信がついたように見えました。

先生からは「今日をきっかけにそれぞれ身だしなみについて考えてもらえたら嬉しい」という講評がありました。このプログラム全体でも、自立生活に向けての準備が何もかも済ませることができるわけではありません。むしろこれから始まってみて初めて直面する困難の方が多いことでしょう。
そんなときに今日のような日を思い出して、助けてくれる人に相談したり、共感してもらえる友達と話したりしながら、少しずつでも成長しながら、よりよく生きていくことができたら、それが何よりだと願っています。

修了式ではひとりずつ決意表明を行いました。仕事のこと、生活のこと、進学すること、全員が立派にスピーチをして、互いに応援をして今年のプログラムを終えました。

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岩手県での自立支援

2月19日、岩手県の児童養護施設の高校生を対象にした、自立支援プログラムの最終回と修了式が行われました。

この取り組みは今年で3年目になります。県内6施設のうち5施設から11名の高校3年生が参加しました。

今日は午前中に調理実習をして自分たちの作った料理でお昼ごはんをとり、午後は消費生活センターの講師から、契約や悪質商法についての講習と、さらに若者サポートステーションの講師による、就労について学ぶ講習を行いました。
修了式では修了証と生活用品やスーツなどのプレゼントの授与と、一人ひとりが新生活に向けての決意表明を立派に行いました。
参加者の皆さんは異なった施設から、同じ目的を持って集まってきています。おたがい励まし合い、支え合う仲間づくりをしてきたように見えました。またすぐにそれぞれの進路へ離れ離れになってしまいますが、この短い時間で得られたつながりが、きっと彼ら彼女たちのこれからの人生において貴重な体験になってくれたらと願います。

青森県での自立支援

2月10日に、青森県の児童養護施設あけぼの学園で行われてきた自立支援プログラムの、今年度最終回に出席してきました。

今回はアパートの契約と金銭管理について、高校3年生を対象に講習を行いました。
今年参加したみなさんは就職先の寮に入ることができたとのことで、すぐに賃貸契約についての知識が必要というわけではありませんが、むしろ今後は施設を離れてから職員や支援者といった周囲に支えのない状態で、契約を行うことになります。
ですので、契約の流れ必要な書類等の解説だけでなく、どのように情報を入手するのか、また、困ったときの相談先も伝えておくことで、備えとしました。
金銭管理の講習を行い、一人暮らしを想定し参加者同士で相談して家計簿をつけることで、お互いの金銭感覚の違いを実感しつつ、自分の給与でやりくりすることを考える機会としました。

参加者からは車の維持費についての質問がありました。青森県では県の予算で、児童養護施設の高校3年生に運転免許取得のための助成を行っていて、今回の参加者も教習所に通っているとのことでした。

最後に修了式を行い、今年度のプログラムを受講してきたことで学んだこと、春からの新生活での目標、これからの人生での決意を、それぞれ語ってもらいました。仕事のこと、家族のこと、一人ひとり思いを言葉にして宣言しました。

気仙沼での自立支援

2月6日、気仙沼の児童養護施設、旭が丘学園にて今年の自立支援プログラムの最終回が行われました。

施設児童の自立支援活動を始めたのは2003年のことです。
今では青森から沖縄まで全国10ヶ所で行われていて、児童養護施設や里親家庭からも参加し、参加人数も毎年100名を超えるようになりました。

今年はこの気仙沼会場では、施設と近隣の里親家庭で生活する高校三年生と一緒になって生活のために必要な学びの機会を設けることができました。
また企業や団体からのご支援をいただき、参加した高校生たちに布団や冷蔵庫といった生活用品や、スーツのプレゼントを贈ることもできました。家族からの支援が得られない場合は、18歳で就職をして一人暮らしをして社会のなかで生きていくことになります。

震災から5年、気仙沼の町は復興途上です。18歳の就職先は見つかりません。地元で働き暮らしながら少しずつ社会に慣れていくというわけにはいきません。今日参加した高校生たちも、それぞれ遠方で頑張っていくことになります。

修了証を授与し、それぞれのスピーチを聞き、施設の先生方や地元の方々に暖かく支えられてきたのだなと感じることができました。強く、優しい言葉ばかりでした。

これからは社会の一員として、よき隣人として、それぞれの人生を幸せに生きていってほしいと願うばかりです。