初日のプログラムは、感情ビンゴを使ってウォーミングアップをすることでお互いを知り話ができるようになりました。
夜のプログラムでは、参加者の皆さんと同様に、児童養護施設、里親家庭出身の7名の男女に集まって頂き、高校を卒業して自立生活を始めてからの就職や進学、生活、家族、お金など、それぞれ自分自身についてお話しをしてもらいました。
グループに分かれて少人数での話し合いができたので、具体的な内容にそれぞれ踏み込むこともできたようでした。施設等退所を目前にした今の時期、環境の変化や新しい生活が具体的に見えてきたことであらためて感じる不安が、自分だけではなく他の参加者も同じように感じていたことを知ることができたり、自分と同じ立場だった先輩たちがどのように乗り越えてきたのかを知ることができる貴重な機会とすることができました。
長い時間でしたが集中して話をしていたようでした。その後、就寝時間が過ぎても館内の談話コーナーでは明かりが点いたままでした。
翌日、ほとんど眠っていない様子でしたが、それぞれ泊まった部屋の掃除をしてから食事をとり、時間通りに集合してプログラムを始めることができました。
午前のプログラムは、自分の夢や目標を明確にして実現しやすくするための大南和宏講師のドリームツリーワークショップを行ないました。
年間のプログラムの最終回となり、修了式を執り行いました。児童養護施設から施設長先生はじめ職員の皆様、養育家庭の会、支援企業、支援団体の皆様、20名の来賓の皆様にお越しいただきました。
ひとりずつ壇上に上がり修了証を授与、また協賛をいただいて、布団や冷蔵庫など、新生活のために必要なそれぞれ希望する生活用品やスーツの授与が行われました。
この生活のためのプレゼントを私達は「ホープチェスト」と呼んでいます。これまでフィリップモリスジャパン株式会社からのご支援でプログラムの運営とホープチェストプレゼントを行うことができました。この数年は全国で支援を必要としている高校生が増加してきましたが、今年はホンダ販売労働組合の皆様からご支援をいただき、継続することができました。
また株式会社AOKIのご協力をいただいて、ビジネススーツを贈ることもできました。
経済的支援はとても重要です。夢や仲間だけでは生きていけない現実があります。
さらに新生活へ向けての決意表明を行い、それぞれの目標を全員が堂々と宣言しました。これは将来の夢や願望を人に聞かせるための会ではありません。具体的な目標を宣言することで自分が実現させる可能性を高めるための「パブリックコミットメント」です。
それも参加者、スタッフ、職員、支援者といった、お互いを理解している安全な人間関係の中で行うことで、より具体的な目標を宣言することができます。
この日も、新生活や仕事、学校などでの具体的な目標を掲げることができていたようでした。実現することへの少しでも助けになったらと願っています。
修了式の後には全員でパーティ会場に移動し、食事をしながらおしゃべりをしたり写真を撮ったり、楽しい時間を過ごしました。
今年もまた東京でのプログラムを無事に終えることができました。様々な境遇のなかで困難な状況でありながら18歳で自ら道を切り拓いていく若者たちへ、たくさんのご支援をいただき心から感謝を申し上げます。まことにありがとうございました。