活動報告」カテゴリーアーカイブ

プログラミング学習イベント

6月25日(日)に、児童養護施設の児童と職員を対象にした、プログラミング学習ワークショップを開催しました。

学習指導要領の改訂を踏まえ、今後、学校教育にてプログラミング学習が授業に含まれていくことが決定しています。家庭の状況によって学習や機会の格差が拡大していくこと、子どもの貧困の問題を解消しようと、アクセンチュア株式会社の協力のもと、いくつかの施設との連携に限定してテスト的に実施しました。

iPadを使ったプログラミングの基礎を学べる教材”Swift Playgrounds”は以前よりアメリカでも学校教育に用いられていますが、日本語化されたことで、この教材を使い、今回参加してくれた6名の小中高校生男女と2名の職員と、アクセンチュアのスタッフの皆様のサポートを受けながら、それぞれ学習を進めていきました。

ゲームのような画面でひとつずつ設定された課題をクリアしながらプログラムの構文や関数を学んでいくのですが、全員がとても集中して楽しんで取り組んでいました。大人よりも頭の柔軟な子どもたちは課題の意味をすぐに理解していく様子が見られました。今回はプログラミングに興味のある希望者だけを募集した会だったこともあり、とても満足度の高い、充実した時間になりました。「プログラムは好き」「こういう仕事に就きたい」「他の職業を希望しているけど知識は必要」といった声が聞かれました。

昼食には世田谷の赤木商店さんからのケータリングを用意していただき、温かく美味しい食事で楽しむことができました。

午後はジュニア・アチーブメント日本の協力で職業観やライフプランについて考える「キャッチ・ユア・ドリーム」ワークショップを行い、それぞれこれまでの自分や周囲の人のこと、これからの人生について考える機会となりました。

児童養護施設の児童を対象にしたプログラミング教育はまだまだほとんど行われていない分野ででしょう。しかしこれから学校教育で行われていくだけでなく、就労においても機会を増やし自立につなげる「手に職」系のスキルであることは間違いありません。企業や団体の連携があって彼ら自身が興味関心を持ち自立に向けて学ぶことができる機会はとても貴重なことでした。今後もこのイベントを続けていきたいとともに、多くの児童に向けた取り組みへと発展していくことを目指していきます。

この機会をご支援いただいたアクセンチュア株式会社の皆様に心から感謝いたします。

 

2017 年次総会

5月26日、立川市こども未来センターにて、エンジェルサポートセンターの2017年度年次総会を行ないました。

2016年度の事業報告、会計報告と、2017年度の計画について、正会員の皆様による審議をいただき、承認されました。

正会員、賛助会員の皆様には郵送にて活動報告書をお送りいたします。よろしくお願い申し上げます。

サロンドエンジェルBBQ2017

4月29日、昭和の日に立川市の昭和記念公園にて、エンジェルサポート自立支援プログラム出身者を対象にした、卒業後交流プログラム「サロン・ド・エンジェル」の今年度第一回バーベキューイベントを行ないました。

高校在学中の参加者と卒業生の合わせて13名のエンジェル修了生と、エンジェルサポートのスタッフや各回の講師、ゲストの施設長先生方にもご参加いただき、総勢28名が集まりました。それぞれ別々の施設の出身で参加年次も異なりますが、一緒に料理をして食べておしゃべりして、楽しい時間を過ごしました。

メニューはエンジェルBBQ恒例の牛肉塊”2ポンドビーフ”をふたつ、半身のサーモン、イタリアの豚料理のポルケッタのメイン三種を中心に、野菜や果物、バゲット、マフィンなどを準備していましたが、焼いている端から次々に胃袋の中へ消えて行ってしまい、ソーセージや焼きおにぎりを追加したほどでした。

食べながら生活や仕事の話を色々と聞く事ができました。仕事も暮らしも順調な人もいれば、会社や学校を辞めて別の道に進んでいる人、進学先の学校を卒業してこれから仕事が始まる人、高校卒業に向けて進路に悩んでいる人、さまざまな状況でも皆それぞれ一所懸命に生きています。そして皆とてもやさしい集まりです。ときどきこうして集まって楽しい時間を過ごすことができて、また明日からも頑張ろうと思えるような会をこれからも続けていきます。

もし全国のエンジェルの修了生で次回参加したいと思っている方がいたら案内を送りますので連絡をください。ぜひ一緒に楽しい時間を過ごしましょう。

自立支援プログラム神戸2016

3月20日、兵庫県の児童養護施設神戸少年の町にて、エンジェルサポート自立支援プログラム”KBTサミット2016”の修了式が行われました。
エンジェルサポートセンターとご支援をいただいておりますフィリップモリスジャパン合同会社から修了式に出席をさせていただきました

神戸少年の町では2016年度に10回のプログラムを実施し、高校生が自立に向けた社会生活の準備を重ねてきました。
この日は一年のプログラムの振り返りと修了証の授与を行い、高校三年生には春からの新生活に向けた門出のお祝いと一年生二年生には来年度以降の決意表明を行いました。

参加者の皆さんと職員の皆様とで、食堂でケーキとお茶をいただきながら、一年間のプログラムを振り返りました。最も印象に残った内容は何か、という話をしたところ、社会に出ている先輩が語ってくれた体験談や、住民票やマイナンバーなどの手続き、病院に一人で通院すること、など多くの意見が寄せられました。
また園内では自立生活に向けた準備として一人での生活体験ができるお部屋があり高校生が体験的に生活をしているとのことで、そこでの感想も話してもらいました。食事作りが大変、生活リズムを守ること、などの声があるなかで、ひとりがさみしい、という声もありました。

修了式では修了証の授与を一人ひとりに行い、神戸少年の町からは一人暮らしを始める三年生へ応急処置のできる救急箱が贈られました。

神戸少年の町でのプログラムも今年で8年となります。これまでの職員の皆様の実施の経験と参加した高校生たちの声を反映させて、毎年よりよい内容へと常に変わっているとのことでした。職員の皆様には心より感謝いたします。

この神戸での修了式をもって2016年度の全国10か所でのプログラムがすべて終了しました。
今年も多くの支援が実現しましたことをありがたく思います。

自立支援プログラム熊本2016

2017年3月13日、今年初めて行われた熊本県での自立支援プログラムの最終回と修了式が、熊本県の慈愛園で行われました。県内の慈愛園子供ホームとシオン園の二か所の児童養護施設から6名の高校三年生が参加し、6つのセッションで学びの時間を過ごしてきました。

この日は午前に「心の健康」として、今まで身近で生活をともにしてきた担当の先生方が一人ずつ寄り添いながら、これまでの自分の施設での暮らしを振り返り、自立前の不安を共有しながら、対処法を一緒に考えるワークを行いました。また自分でできる自分自身のケアの方法を学びました。

昼食をはさんで、午後はビジネスマナーの講師を招き、言葉遣いやおじぎの仕方などについて学びました。実際にやってみると意外にできていないことがわかり、よい学びになりました。

その後、年度最後の回として修了式を行い、エンジェルサポートセンターから修了証の授与、フィリップモリスジャパンから記念品目録の授与が行われました。一人ひとりが今後の生活に向けた決意表明を行いました。

さらに、担当の先生方が一人ひとりの卒園生に向けてメッセージを贈り、これまで一緒に過ごした時間や自立に向けての変化について語り、これからの生活へのエールが贈られました。

熊本県でエンジェルサポートプログラムを行うことは初めてのことでしたが、施設長先生方をはじめ職員の皆様のお力でとても充実した時間になっているようでした。震災後の熊本から社会に出ていく子供たちをどうにか支援したいと始めたプログラムですが、来年度以降も継続した実施ができるように取り組みを続けていきたいと思いました。