自立支援」カテゴリーアーカイブ

青森県での自立支援プログラム

エンジェルサポートセンターで実施してきました自立支援プログラムを、フィリップモリスジャパン株式会社の協賛を得て、それぞれの児童養護施設内でも実施できるように今年度から支援をしております。そのうちの青森県十和田市の児童養護施設あけぼの学園でのプログラムが最終回を迎えましたので、2月8日に行われた最終回プログラムと修了式に、エンジェルサポートセンターから2名が出席しました。

卒業を控えた高校三年生と、施設の先生、栄養士の先生とで、調理実習を行っていました。カレーライス、ポテトサラダ、野菜スープ、そして十和田市のご当地グルメ「バラ焼き」と、盛り沢山の食事をいただきました。食事をとりながら進路や将来についての話をし、また東京の話を熱心に聞いて、きらきらと目を輝かせている様子がとても印象的でした。
修了式では修了証の授与を行い、これから始まる新しい暮らしへエールを送りました。

園長先生をはじめ施設の先生方も熱心に取り組んでおられて、参加者のために各回ごとに手作りされた資料をまとめたファイルは、暮らしに役立つだけでなく、気持ちのこもった宝物のようにも見えました。

帰る車に向かって、高校生がずっと手を振って見送ってくれました。この日の最高気温は0度でしたが、熱い気持ちが伝わってくる貴重な時間を一緒に過ごすことができました。

自立支援プログラム修了式

2月5日-6日の土日で、エンジェルサポート自立支援プログラムの今年度最終回を行いました。インフルエンザの流行もあり、残念ながら参加者全員の出席とはならなかったのですが、12人の中高生が集まり宿泊研修に臨みました。

今回の研修では「働くこと」、「気持ちのキセキ」、「コラージュ」のプログラムが行われ、いずれも参加者にとって充実した内容になったようです。

箱崎幸恵講師の「気持ちのキセキ」では、普段は意識していなかった気持ちに気づき、それを言葉や体で表現することができ、またそれに共感する言葉が他の参加者からもあったりと、まさに奇跡のような場面がありました。参加者からも「もっとよく知りたい」とコメントがありました。

異なる施設から集まった参加者たちは、一泊二日の日程の食事や入浴などの生活の場面での何気ない交流を大切に、また夜は遅くまでたくさんの話をして過ごしたようです。きっとここでしか話せないようなこともお互いに話し合えたのではないでしょうか。それでも常に時間をよく守り、予定通りのプログラム進行をすることができたことは、まさに参加者の皆さんの協力のおかげです。

修了式へは参加児童の生活する児童養護施設からもそれぞれ先生方がお見えになり、またフィリップモリスジャパンをはじめ支援企業の皆様、里親子支援のアン基金プロジェクトからも来賓が見え、30名以上の大勢でプログラムの修了生をお祝いしました。

プログラムの修了生には、フィリップモリスジャパンより、あらかじめ希望をしておいた生活用品や家電製品がプレゼントされました。また高校3年生には加えてビジネススーツが贈られました。頑張って真面目に取り組んだご褒美です。いずれも実績として受け止め、自信をつけていってもらいたいと思います。

ひとりひとりの参加者に感想や抱負を述べてもらいましたが、全員ともしっかりとした言葉で話していて、来賓の先生方も驚くほど立派でした。もしプログラムをきっかけにして気持ちに変化があったのだとしたら、本当にうれしいことです。

春からそれぞれの新しい生活が始まりますが、人とのつながりを大切に、自信と勇気を持って、いきいきと生きていってほしいと願います。

また、今回のプログラムの実施にあたり、このインターネットサイトをご覧の方から、コラージュの作成に必要な雑誌類をご寄付いただきました。児童の自立に向けた活動へご支援をいただきましたこと、心から感謝いたします。ありがとうございました。

参加者アンケートから

感想1

もっと気持ちの奥側を知りたいと思った。これから自分の気持ちについて考えようと思う。

感想2

前より自分の気持ちを上手に言えるようになったことが、今後、役に立つのかなあーと思いました。

感想3

自立に向けての勉強をしながらも楽しく過ごすことができました。

感想4

自立する上でも、生きていく上でも、大変貴重な経験と出会いを与えていただき、感謝しています。

感想5

自分のためになる!!

1月の自立支援プログラム

1月16日に今年度4回目の自立支援プログラムを行いました。

今回のテーマは「金銭管理」です。

毎日の暮らしの中でとても大切なお金ですが、上手な使い方や貯め方もまたとても難しいものです。そんなお金についての知識を身につけ考え方について学ぶプログラムとして今回は実施しました。
講師は昨年に引き続き、エンジェルサポートセンターの金融チームが担当しました。専門性を活かして素敵なカリキュラムと教材を用意してくれています。

実際の暮らしに必要なお金がいくらなのか、さまざまな条件を設定していきながら、家計簿をつけるようにひとりずつ電卓を使って計算していき、その月の家計をやりくりする経験をすることで、生活費についての考え方を学ぶ機会となりました。

また、銀行や口座の種別についての解説とそれぞれの使い方、効率的なお金の貯め方についても解説をしていきました。

クレジットカードの仕組みは難しかったようで、終了後のアンケートでも「私にはカードは向いていないということがわかった」とのコメントがありました。ほかにも「全体的に難しかった」といったコメントもありましたが、家計簿の資料がわかりやすかったことや、ホワイトボードを使いゆっくりと進めたことがわかりやすかった、との記述もありました。

もちろん一日のプログラムで簡単に理解できるテーマではないですが、今回のことが金銭管理や金融機関について考えていくきっかけになったり、のちのち「そういえば前に聞いたことがある」とというくらいに思い出してもらえたらいいのではないでしょうか。

次回は今年度最終回となります。一泊二日の合宿の中でさまざまなテーマでプログラムを実施します。参加者それぞれの自立に向けた学びとともに、参加者同士の交流がより深まる機会になり、自立へのモチベーションと自信につながる最終回となることを期待します。

12月の自立支援プログラムを実施

12月12日に今年度の自立支援プログラム3回目のセッションを行いました。今回は健康的な食生活についての講義と、一人暮らしの調理実習です。

栄養士の先生を講師に、まずは食事の大切さや栄養バランスについての講義があり、その後4-5人ずつの4チームに分かれて昼食づくりにとりかかりました。

今回は豚丼+半熟たまごのせ、ミネストローネ、ほうれん草のごま和え、フルーツトッピング牛乳プリンと、ボリュームもバランスも材料も作り方も多種多様なメニューに設定。しかも、ご飯は炊飯器がなくても食べられるように鍋で炊く練習、ごま和えはすり鉢でする本格的な内容。普段料理に慣れている人にも初めての経験となる項目があって、実習らしくなりました。
しかもチーム分けは「料理に慣れているチーム」「ほとんどしたことがないチーム」「まあまあ料理するチーム」に分けたので、チーム内で熟練度に差がなく、何もしないで見ている人が出ないようになっています。

レシピ集にしたがって料理をしていき、わからないことがあるときはその都度質問しながら取り組み、大きな失敗もなくそれぞれ料理を完成させ、どのチームもおいしくいただきました。器の選び方や盛りつけ方、皿の並べ方なども講師から解説があり、実習として充実した食卓となりました。

参加者のアンケートには「食事づくりは必ず役立つからよかった」、「慣れていても初めて知ったこともあった」、「鍋で炊いたのはよかった」、「美味しかったので自分でも作ってみようと思う」など、本当にたくさんの肯定的なコメントがありました。さらに「一日三食の食事内容の考え方について知りたい」、「料理をするとき何から手をつけていいのか」と、質問の内容も具体的なものがありました。例年、多くの参加者が楽しみにしている調理実習ですが、今年も満足した人が多かったようです。

またアンケートには「前より話しやすくなった」というコメントもあり、回数を重ねてきたことや一緒に作業をしたことで、以前よりお互いに慣れてきたのかなとも読めました。
半年間かけて行う自立支援プログラムでは、それぞれ異なる環境で生活する参加者同士がお互いを知り、自立という目標に向かっていく途中で肯定的に影響し合い、支え合える関係になることも期待しています。これから卒業シーズンに向け残り二回のセッションで、彼ら自身や関係がどのように変わっていくのか、しっかりと見守っていきたいと思います。

次回はこちらもまた昨年大好評だったプログラム、金銭管理について体験しながら学ぶセッションを行います。

自立支援プログラムを実施

今年度2回目の自立支援プログラムを10月24日に行ないました。

今回は「印鑑」と「悪質商法」をテーマに実施し、立川市消費生活センターの講師からのお話しと、詳しい資料やアニメ映像もあわせて、若者が被害に遭いやすいマルチ商法やワンクリック詐欺などの悪質商法や、その対策について解説がありました。

終了後の参加者アンケートには「印鑑は全部同じだと思っていたから(詳しく知って)よかった」、「クーリングオフについて知ることができた」といったコメントがありました。消費生活相談などの制度についても知ることできたことで、生活に必要な知識を得る機会になったようでした。

今回も終了後に全員で昼食をとりました。(これが楽しみだという参加者も多くいます)前回リクエストのあったパスタ店に出かけ、パスタやピッツァ、ドルチェをそれぞれ楽しみながら会話も弾んでいました。

次回は調理実習を行ないます。作りたいメニューのリクエストをアンケート用紙に書いてもらったところ、こちらもたくさんの記入がありました。とても楽しみにしているようです。