自立支援」カテゴリーアーカイブ

わたしのみらい2016 保険と社会の仕組み/大学見学

12月27日、高校生のための自立支援・就業支援プログラム「わたしのみらい2016」の第2回「保険と社会の仕組みを知ろう~三井住友海上駿河台ツアー」を行いました。

今回は三井住友海上火災保険株式会社のご協力をいただき、職場体験と保険について学びました。

会場となる新しいスタイリッシュな三井住友海上の新館にて、入館カードと名札をひとり一人受け取り、ワクワクしつつ、プログラムがスタートしました。まずは、損害保険とは?と称して、クイズを交えながら、私たちの身近にあるリスク(危険や怖れなど)に対する保障としての保険について教えていただきました。また、社員の方の体験をDVDやロールプレイで紹介していただき、仕事をするうえでの目的意識と誇りを持っている姿を拝見しました。

その後は、参加者一人にアクセンチュアの社員と三井住友海上の社員の方が2-3人のサポートがつくグループに分かれて職場見学へ向かいました。学校は冬休みですが会社は平日の通常業務。実際に三井住友海上の社員の方が働いていらっしゃる姿や、その職場の様子など生で体感させていただきました。残念ながら駿河台ツアーは雨でガラス越しの見学になりましたが、担当の女性社員の方の環境への取り組みに対する真摯な姿を通して、社員としての誇りを感じとる事ができました。

お昼は明るくきれいな社員食堂でランチをいただきました。お値段もお手頃で、種類も和洋中と豊富で、何を食べようかと悩んでいる参加者もいました。食べた食器の重さでランチの価格が表示され、電子カードで支払う便利で最先端のシステムには感動していた様子でした。

食後は個別相談としてアクセンチュア社の皆様と、自分の価値観を見つめ直すCatch Your Dream Step1ワークをベースにして、参加者が希望する進学、就職について、一人暮らしに必要な経費の資料、奨学金のリスト資料など様々な情報や社員の方の実体験も交えて、1時間たっぷり相談に乗っていただきました。

最後に東京医科歯科大学のご協力をいただき、グループ毎に大学構内を見学しました。残念ながら大学は冬休みに入っておりましたので、実際の授業風景や学生との交流はありませんでしたが、広い大学構内を実際に歩いて見ることは、興味深かったようです。

参加者アンケートでは、
「普段入ることのできない会社に入って、雰囲気とか働いている方の実際の声を聞くことができてよかった」
「進学を目指しているので大学見学などができて良かった」
「みんな真剣に考えてくださってとても嬉しかった」
といった感想がありました。

盛りだくさんの一日で、帰る頃には少し疲れた様子も見られましたが、おみやげのドーナツで笑顔も見られ、またの再会を約束して解散となりました。

エンジェルサポート2016「契約と法律/ハラスメント」

12月18日、立川市女性総合センター・アイムにて、エンジェルサポート自立支援プログラムの2016年度4回目のセッションを行いました。

午前中は青年司法書士会の皆様による契約と法律について、グループに分かれてチーム対抗クイズ大会で法律を学びました。自立生活を始めるときによくある契約の際のトラブルについてや、実際に若者が被害に遭うことのある悪質商法について、グループで話し合いをして考えました。他の人はそれぞれ違うことを考えていて議論が深まったり、真剣に考えている様子が見られました。正解の発表では実際の事例、実物などを見ながら、身近にもあり得ることだと感じることができたようです。

午後は企業のコンプライアンス担当者と大学のハラスメント相談担当者の講師による、コンプライアンス、ハラスメントの講習を行いました。特にハラスメント、DVについては気づかないうちに自分が当事者になっていることも想定して、実際に様々なハラスメントが起きてしまったときにどのように断るかを実際にロールプレイしながら体験しました。

参加者からのフィードバックでは、
「法律クイズの時間が短く感じられるくらい楽しかった」
「お金の貸し借りはしてはいけない」
「ハラスメントの断り方を実践して、実際にどのように行動をすればよいのか学べた」
「なにかあったらすぐ相談することがいいことがわかった」
といったコメントがありました。

今年度のプログラムも次回で最終回となります。春には多くの参加者が自立生活を始めていきます。エンジェルサポートセンターでは多くの若者たちの自立を見守っていきます。

エンジェルサポート熊本2016

エンジェルサポートセンターと熊本県の慈愛園とは、今年度の自立支援プログラムの実施で協力していくこととなりました。
熊本の震災があり、多くの被害がありましたが、18歳で自立をしていく子どもたちへの支援を行い、県内外で一人暮らしを始め、就労をしていく子たちへの支援を、エンジェルサポートセンターがともに携わってまいります。
写真は熊本県の児童養護施設慈愛園子供ホームの緒方施設長先生と。

エンジェルサポート福島2016

福島県内の児童養護施設からの自立を支援する「エンジェルサポート福島2016」プログラムが始まりました。

福島県児童福祉施設部会とエンジェルサポートセンターとの協力体制で2012年から毎年行ってきたこのプログラムも、今回で5年目となります。11月19日に今年度の第一回プログラムが行われ、県内7施設から10名の高校生が参加し、それぞれの自立に向けて学ぶ機会としていきます。

初回となった今回は午前中に「携帯・スマホに潜む危険性」として郡山女子大学の堀先生に講師を勤めていただき、ネットやゲームへの依存、いじめ、脳や身体に与える影響などを学びました。それぞれの考えを述べたり、グループでディスカッションをしたり、自分と他人の価値観を比べながら、それぞれ考える機会となりました。

お昼休みには会場近くの料理店で食事をとりながら、今日初めて会った参加者同士でも趣味の話や学校の話などで和気あいあいと過ごしました。

午後は堀川愛生園の三馬先生が講師となり、コミュニケーションスキルを実践的に学ぶ機会としました。社会人としてどのような行動をとるとよいのか、適切な行動を、例を挙げて具体的なステップを踏みながら学ぶことができました。

これから来年の2月まで充実した内容で自立に向けて学んでいきます。進路が決まった参加者もいて、より具体的に自分自身について考え、共有し合う機会となることでしょう。エンジェルサポートセンターでは福島の高校生への支援をこれからも続けてまいります。

自立支援活動報告会を開催しました

11月16日に新宿住友ビルスカイルームにて、エンジェルサポートセンター「社会的養護からの自立支援活動報告会」を開催しました。

活動開始から15年を迎えるにあたり、これまで児童養護施設や里親家庭からの社会的自立に対して行ってきた様々な支援活動の報告を行い、この日は全国の児童養護施設の施設長、職員、里親、支援企業、団体、個人の皆様、総勢55名にご来場いただきました。
開会にあたり、小田原きよし衆議院議員に応援のご挨拶をいただき、厚生労働省家庭福祉課課長からのメッセージを紹介させていただきました。

理事長の高橋利之より活動報告を行い、これまでの団体の経緯、そして現在の自立支援活動の意義、また具体的なプログラムの内容や効果についてお話ししました。
特に、安全な環境で多くの人とつながることが安心と自信を持って目標に向け成長していく機会になっていることを紹介。法律講座の講師をしていただいている司法書士の石井寛昭様、家計やライフプランについて講義を担当いただいているアクセンチュア株式会社の山崎丁巳生様から、支援者の立場としての関わりについてお話しいただきました。
連携として、2012年から行ってきた福島県内のすべての児童養護施設を対象とした自立支援プログラムを紹介、青葉学園の神戸信行施設長先生より、福島での取り組みと効果についてご紹介をいただきました。

このように活動を紹介することにより、これからも多くの支援が各地で起こっていくことにつながるといいと考えています。私達が期待することはエンジェルサポートセンターの事業を広げることではなく、「子どもたちの成長に対して必要な支援が備わっている社会になること」です。

これまでの活動に多くの支援をいただいていることに感謝の気持ちを表し、感謝状の贈呈を行いました。
自立支援プログラムの実施と家電等のプレゼントに助成をいただいているフィリップモリスジャパン合同会社様、身だしなみ講習をご支援いただいている公益財団法人資生堂社会福祉事業財団様、身だしなみ講習とスーツのプレゼントにご支援いただいている株式会社AOKI様に、それぞれ感謝状の贈呈とご挨拶をいただきました。

後半は、これまで行われた各地のエンジェルサポート自立支援プログラム修了生の皆さん4名による座談会を行い、参加の動機、学んだなかでよかったこと、自立後の変化、これからの期待、といった内容についてそれぞれ語ってもらいました。
「エンジェルで習ったことが頭の片隅に残っていたので金銭管理や生活のことを思い出しながらやってみた」
「ひとり暮らしでは料理や栄養が大切だと教わっていたので、がんばって食事をするようにしている」
「人生設計を立てるきっかけになっていた」
「前向きな気持ちでなくても、とりあえず参加してみると何か変わるかもしれないと後輩たちには思ってほしい」
その他にも生活で気をつけていること、プログラムへのアドバイス、など多くの話をしてくれました。
実際に自立を体験した皆さんの声を、今後のよりよいプログラムの実践に活かしていける貴重な機会になりました。

閉会にあたり法人相談役の至誠学園高橋利一名誉学園長からご挨拶として「この子たちがこの国の未来だと言えるような支援をしていきたい」とお話しさせていただきました。その後はお茶と軽食をとりながらご歓談いただく時間とし、閉会となりました。

ご参加いただいた皆様へのアンケートでは、「活動の様子がよくわかった」「卒業生の話が聞けたことがよかった」「今後の支援につながる」という声が多く寄せられ、なかには「支援者、参加者の話を涙が出る思いで聞いていた」と答えていただいた施設職員の方もいらっしゃいました。

2時間と短い時間ではありましたが、多くの皆様にご来場いただき自立支援を共有できたことに感謝いたします。また、この会の実現に向けて多くのご支援をいただきました皆様に心から感謝を申し上げます。