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自立支援プログラム神戸2016

3月20日、兵庫県の児童養護施設神戸少年の町にて、エンジェルサポート自立支援プログラム”KBTサミット2016”の修了式が行われました。
エンジェルサポートセンターとご支援をいただいておりますフィリップモリスジャパン合同会社から修了式に出席をさせていただきました

神戸少年の町では2016年度に10回のプログラムを実施し、高校生が自立に向けた社会生活の準備を重ねてきました。
この日は一年のプログラムの振り返りと修了証の授与を行い、高校三年生には春からの新生活に向けた門出のお祝いと一年生二年生には来年度以降の決意表明を行いました。

参加者の皆さんと職員の皆様とで、食堂でケーキとお茶をいただきながら、一年間のプログラムを振り返りました。最も印象に残った内容は何か、という話をしたところ、社会に出ている先輩が語ってくれた体験談や、住民票やマイナンバーなどの手続き、病院に一人で通院すること、など多くの意見が寄せられました。
また園内では自立生活に向けた準備として一人での生活体験ができるお部屋があり高校生が体験的に生活をしているとのことで、そこでの感想も話してもらいました。食事作りが大変、生活リズムを守ること、などの声があるなかで、ひとりがさみしい、という声もありました。

修了式では修了証の授与を一人ひとりに行い、神戸少年の町からは一人暮らしを始める三年生へ応急処置のできる救急箱が贈られました。

神戸少年の町でのプログラムも今年で8年となります。これまでの職員の皆様の実施の経験と参加した高校生たちの声を反映させて、毎年よりよい内容へと常に変わっているとのことでした。職員の皆様には心より感謝いたします。

この神戸での修了式をもって2016年度の全国10か所でのプログラムがすべて終了しました。
今年も多くの支援が実現しましたことをありがたく思います。

自立支援プログラム熊本2016

2017年3月13日、今年初めて行われた熊本県での自立支援プログラムの最終回と修了式が、熊本県の慈愛園で行われました。県内の慈愛園子供ホームとシオン園の二か所の児童養護施設から6名の高校三年生が参加し、6つのセッションで学びの時間を過ごしてきました。

この日は午前に「心の健康」として、今まで身近で生活をともにしてきた担当の先生方が一人ずつ寄り添いながら、これまでの自分の施設での暮らしを振り返り、自立前の不安を共有しながら、対処法を一緒に考えるワークを行いました。また自分でできる自分自身のケアの方法を学びました。

昼食をはさんで、午後はビジネスマナーの講師を招き、言葉遣いやおじぎの仕方などについて学びました。実際にやってみると意外にできていないことがわかり、よい学びになりました。

その後、年度最後の回として修了式を行い、エンジェルサポートセンターから修了証の授与、フィリップモリスジャパンから記念品目録の授与が行われました。一人ひとりが今後の生活に向けた決意表明を行いました。

さらに、担当の先生方が一人ひとりの卒園生に向けてメッセージを贈り、これまで一緒に過ごした時間や自立に向けての変化について語り、これからの生活へのエールが贈られました。

熊本県でエンジェルサポートプログラムを行うことは初めてのことでしたが、施設長先生方をはじめ職員の皆様のお力でとても充実した時間になっているようでした。震災後の熊本から社会に出ていく子供たちをどうにか支援したいと始めたプログラムですが、来年度以降も継続した実施ができるように取り組みを続けていきたいと思いました。

 

自立支援プログラム福岡2016修了

2017年3月12日、福岡県の児童養護施設清心慈愛園にて、2016年度の自立支援プログラム最終回と修了式が行われました。

今年度はこれまで2回のセッションを行い、社会の仕組みを学び、先輩たちからの体験談を聞き、今回が最終回となりました。この日はエンジェルサポートセンターからの講師が担当、自己開示とライフプランのワークを行いました。

4名の修了生男女は職員の皆様とともにワークシートを使って自分自身のことについて考える機会としました。「人見知りするから」といった声もありましたが、ワークを進めていくうちに自分のことを話していくことに慣れていく様子が見られました。これから新しい職場や生活環境で、新しい出会いも人間関係もあることでしょうが、今日のこのことがよい体験として心に残っていてくれたら、と願います。

終了後、年間プログラムの修了式を行いました。
修了証の授与と生活用品のプレゼント目録の授与の後、一人ずつ決意表明を行いました。
皆さんそれぞれの目標が実現することを応援しています。

 

自立支援プログラム沖縄2016

3月4日、沖縄県で行なわれてきた児童養護施設の高校生を対象にした自立支援プログラム、エンジェルサポート2016沖縄が最終回を迎え無事修了しました。

この沖縄県のプログラムも今年で5年目となり、児童養護施設島添の丘、石嶺児童園、美さと児童園、の三施設から12名の高校三年生が参加して、全4回のプログラムが行われてきました。

この日は沖縄県キャリアセンターから講師を招き、ビジネスマナーについて学んだあと、午後は男子と女子に分かれて資生堂ジャパンの講師からの指導を受けて、男子は社会人としてのヘアケアやスキンケアについて、女子は社会人のメークを学びました。
最初は「高校生らしいおしゃれなメーク」を落とすことに抵抗があった女子の皆さんでしたが、先生から一人ひとりに似合うメークについて教えてもらい、細かなテクニックを教えてもらうと、次第に自分も周りの仲間も社会人の顔立ちに変わってくる様子を見て、どんどん集中して取り組むようになってきました。
男子はその後はエンジェルサポートセンターの講師によるビジネススーツ講座を行い、社会人の基本的なスーツの着方やポイントを学びました。男子も初めは高校生の制服のような着方をしていましたが、気を付ける点を一つずつ直していくうちに服装だけでなく姿勢まで伸びてすっかり新社会人のように変わっていました。施設長先生や職員の皆様からは「見違えた。立派になった。」という声も上がりました。

男子も女子もすっかり社会人としての身だしなみが出来上がって、今年度のプログラムを終えた修了式を行いました。
エンジェルサポートセンターから一人ずつ修了証の授与を行い、フィリップモリスジャパンから記念品の生活用品の目録の授与を行いました。
その場でこのプログラムに参加した感想と今後の決意表明の作文を読み上げ、修了式を終えました。特にある参加者は施設で高校三年生が一人だったため、進路や新生活について共感的に語り合う相手がおらず不安を感じていたところこのプログラムに出会い、思い切って参加してみて初めはなかなか馴染めなかったものの、次第に他の施設の高校生と話ができるようになり、それぞれの目標に向けて励まし合いながら毎回楽しみに参加するようになった、ということでした。支え合える仲間づくりができるのもこのプログラムのいいところでしょう。

終了後は全員でパーティで行ないました。料理やケーキをいただきながら今年度の思い出を振り返り、春からの新生活について語り合う時間としました。毎回のセッションの後で活動の様子を写した写真と内容を模造紙に書き出した掲示をしていて、それも皆で見ながら充実した時間を振り返っていました。

プログラムの企画運営を行う施設職員の皆様は毎年熱心に取り組んでいただいていて、よりよい支援になるようにと毎年内容のアップデートが行われています。また三施設合同で行うことで、それぞれの施設が持つ支援者のネットワークを共有して広めることにより、子どもたちへのよりよい支援へとつながってきているそうです。
エンジェルサポートの縁がもとで地域の皆様の取り組みのさらなる充実へとつながった例だと思います。
また今後は、これまでの修了生たちが先輩として自らの体験を高校生たちに伝えていくことで、当事者にとって大切な気づきや苦労などを知る機会にしようと計画もしています。ますますの支援の充実に施設長先生方や職員の皆様にあらためて感謝申し上げます。

自立支援プログラム東京2016修了

2016年度のエンジェルサポート自立支援プログラム宿泊研修が、国立オリンピック記念青少年センターにて2017年2月25日と26日の一泊二日で行われました。

今回は昨年夏から続くプログラムの最終回として締めくくりのセッションとすると同時に、今年もNPO法人里親子支援のアン基金プロジェクト、NPO法人神奈川フォスターケアサポートプロジェクトがそれぞれ行う自立支援プログラムと合同で実施しました。三団体から集まった、児童養護施設や里親家庭からの自立を控えた高校生が合計で34名参加し、様々な学びと交流の機会となりました。

初日はIFCAスタッフによるストラテジック・シェアリングのワークショップを行ないました。日本とアメリカとの交流から当事者活動を行っている社会的養護出身のユースメンバーが、自身の経歴や体験について就職先や進学先において適切に人に伝える、または伝えないための「戦略的な」方法を、アメリカで開発された手法を元に参加者に伝えてもらいました。

夕食後、夜のセッションではプログラム出身の卒業生を中心に、施設や里親家庭から自立をした8名の先輩たちに来てもらい、小グループに分かれてそれぞれ語り合う時間としました。
自立する前、した後での体験や困ったこと、どう対応したか、奨学金を集めて大学に卒業して就職した話や、生活の様子、失敗したこと、など、また大勢では聞きにくい質問などもして貴重な時間を過ごしました。

一日目のプログラムを終えると、参加者同士で部屋ごとに過ごします。お風呂に入り部屋で語り合うのは、仲間との特別な時間になるのではないでしょうか。

翌日は朝からメンタルケアの重要性について、また自分でできるストレスマネジメント、セルフケアについて体験しながら学びました。リラックスしすぎと寝不足で眠くなってしまう参加者もいましたが、がんばって最後の時間を過ごしていました。

一年間のプログラムの最後には修了式を行いました。来賓にはこのプログラムの実施とプレゼントについてご支援をいただいているフィリップモリスジャパン合同会社の皆様、ホンダ販売労働組合の皆様、児童養護施設の職員の皆様、にお越しいただきました。
修了式ではプログラム修了生全員に修了証と布団や冷蔵庫など本人の希望する記念のプレゼントが贈られました。そして毎回この場では修了生と来賓の皆様の前で決意表明を行います。将来の実現させたい目標を宣言することで、実現する可能性を高めるためのパブリックコミットメントの機会としています。特に練習をすることもなく内容も自分で考えて自分自身のために行うのだと伝えていますが、それぞれの決意を聞いているスタッフや来賓の心に響くような立派なスピーチを行なうので毎年職員の皆様からも「普段の様子とは違う、大人になったようだ」との声が多く聞かれます。

すべてのプログラムを終え、全員でパーティ会場に移動してランチパーティでお祝いしました。今回はアン基金プロジェクトのスタッフの皆様によるチーム対抗ゲーム大会を行い、クイズやゲームで楽しみました。
せっかくお互いを知り親しくなれましたが、またすぐそれぞれの環境へ別れていくことになります。すぐに就職先の寮やアパートへの引っ越しもありいよいよ新生活が始まりますが、今日ここに集まった仲間同士で楽しく過ごした時間が、いい思い出として、多くの学びとともにいつまでも残っていてくれたらと願います。
そしてまた卒業生のイベントや、今度は先輩講師として来年のプログラムに参加してくれることを楽しみにしています。