2018年9月から行われてきた「エンジェルサポート自立支援プログラム2018東京会場」の最終回が、2019年2月23日と24日の一泊二日で、オリンピック記念青少年総合センターを会場に行われました。
この最終回では、同じようにこれまで他会場で自立に向けての学習を続けてきた、里親子支援のアン基金プロジェクト、神奈川フォスターケアサポートプロジェクト、のNPO二団体と共同開催とし、里親家庭からの自立を控えた高校生たちと一緒に、参加者合計32名で一部プログラムを合同で実施しました。
初日は「社会人としてのコミュニケーション」として、企業など社会で生活するうえで必要な行動や言葉、身だしなみ、表情、など具体的な事例を元に考える機会としました。また会社の辞め方、困ったときの相談相手、失敗したとき、などについても考えました。
電車が遅延して始業時間に遅れるとき、どのように連絡したらよいのか?など実際にロールプレイを行い、参加者も考えながら実践的に学べていました。
高校生にとってはとても実践的で高度な内容でした。レジュメに向かって一生懸命に考え、ディスカッションをし、全体に発言をしていましたが、終了後にはばったりと机に倒れ込むほど集中している様子も見られました。それでもこの内容は働き出してからしばらくして気づくことも多くあり、今からあらかじめ考えておくことのできたことは非常にありがたいことであったと思います。
夜は施設出身の先輩たちが会場に集ってくれて、施設を退所した後でどのような生活をしてきたか、仕事や学校、お金のこと、家族を持つこと、出身施設との関係、などについて、グループに分かれて丁寧にざっくばらんに話してくれました。
毎年行われているこのプログラムですが、講師が話をする色々な講習よりも、よほど参考になることが多くある内容です。参加者にとっても好評でした。
宿泊は男女別の大部屋でしたので、色々な施設から参加してきている参加者同士で共同生活をし、入浴や食事のときは一緒に行動することになりました。プログラム以外の生活の場面で様々な話をしたり一緒に過ごすことは、楽しい思い出として支え合う仲間づくりにつながっていきます。
二日目は午前中にコラージュの制作を行いました。自分の生活や目標を視覚化して明確にするのが目的です。参加者同士で、職員の皆様と、出来上がった作品を見ながら話をしている様子があちこちで見られました。
最後に修了式を行い、全員にエンジェルサポートセンターからの修了証と、協賛のフィリップモリスジャパン合同会社、ホンダ販売労働組合、株式会社AOKIからのご支援による「ホープチェスト」の授与が行われました。
そして壇上から会場に向けてそれぞれの決意表明が行われ、他の参加者、来賓の施設長、施設職員の皆様、里親会の皆様の前で自分の未来についての決意を立派に語りました。
修了式の後、会場をレセプションルームに移動してパーティを行い、仲間で語らいながら美味しい食事をいただき、楽しい時間を過ごしました。
これから進む道は皆それぞれですが、またこれからも卒業生の会も行われますし、先輩としてプログラムに関わってもらいたいという話もして、すべてのプログラムが終了しました。
これまでこのような機会をいただけたことは本当にありがたいことです。児童養護施設や里親家庭からの自立、というテーマは未だ社会的に認知がされているとは言えませんが、少しずつ支援も増えてきている印象です。これからもさまざまな環境にいる子どもたちを社会の一員として迎えられるようにともに学ぶ機会を設けていきたいと思います。