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福島県での自立支援

2月20日、エンジェルサポート福島の2015年度自立支援プログラムへ主席しました。今年度3回のプログラムの最終回です。

この福島でプログラムを始めたのは震災後の2012年でした。生活する場所や就職先にもさまざまな困難があった福島で、新しい人生を始めようとする彼らに、なんとか支援ができないだろうかとの思いで始めました。福島市内の3つの児童養護施設で幹事施設となっていただき、県内すべての施設へ参加者を募り、高校生たちが集まって、新しい生活に向けての準備をする機会として、毎年続けることができています。今年も県内6施設から11名が参加しています。

今日の回では午前に消費生活センターからの講師を迎えて、契約や悪質商法についての講習をしていただき、午後は県内の美容師さんから身だしなみ講習を行っていただきました。社会人としての心構えや実際の技術を学ぶことができました。
女子は自分にあったカラーやメーク方法を少しずつ体験しながら学び、男子は社会人一年生として適切な髪型を、一人ひとりセットしてもらいました。普段あまり髪は気にしていない参加者もいましたが、前髪を上げて髪型を変えるだけで印象が変わるだけでなく表情まで明るくなり自信がついたように見えました。

先生からは「今日をきっかけにそれぞれ身だしなみについて考えてもらえたら嬉しい」という講評がありました。このプログラム全体でも、自立生活に向けての準備が何もかも済ませることができるわけではありません。むしろこれから始まってみて初めて直面する困難の方が多いことでしょう。
そんなときに今日のような日を思い出して、助けてくれる人に相談したり、共感してもらえる友達と話したりしながら、少しずつでも成長しながら、よりよく生きていくことができたら、それが何よりだと願っています。

修了式ではひとりずつ決意表明を行いました。仕事のこと、生活のこと、進学すること、全員が立派にスピーチをして、互いに応援をして今年のプログラムを終えました。

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岩手県での自立支援

2月19日、岩手県の児童養護施設の高校生を対象にした、自立支援プログラムの最終回と修了式が行われました。

この取り組みは今年で3年目になります。県内6施設のうち5施設から11名の高校3年生が参加しました。

今日は午前中に調理実習をして自分たちの作った料理でお昼ごはんをとり、午後は消費生活センターの講師から、契約や悪質商法についての講習と、さらに若者サポートステーションの講師による、就労について学ぶ講習を行いました。
修了式では修了証と生活用品やスーツなどのプレゼントの授与と、一人ひとりが新生活に向けての決意表明を立派に行いました。
参加者の皆さんは異なった施設から、同じ目的を持って集まってきています。おたがい励まし合い、支え合う仲間づくりをしてきたように見えました。またすぐにそれぞれの進路へ離れ離れになってしまいますが、この短い時間で得られたつながりが、きっと彼ら彼女たちのこれからの人生において貴重な体験になってくれたらと願います。

青森県での自立支援

2月10日に、青森県の児童養護施設あけぼの学園で行われてきた自立支援プログラムの、今年度最終回に出席してきました。

今回はアパートの契約と金銭管理について、高校3年生を対象に講習を行いました。
今年参加したみなさんは就職先の寮に入ることができたとのことで、すぐに賃貸契約についての知識が必要というわけではありませんが、むしろ今後は施設を離れてから職員や支援者といった周囲に支えのない状態で、契約を行うことになります。
ですので、契約の流れ必要な書類等の解説だけでなく、どのように情報を入手するのか、また、困ったときの相談先も伝えておくことで、備えとしました。
金銭管理の講習を行い、一人暮らしを想定し参加者同士で相談して家計簿をつけることで、お互いの金銭感覚の違いを実感しつつ、自分の給与でやりくりすることを考える機会としました。

参加者からは車の維持費についての質問がありました。青森県では県の予算で、児童養護施設の高校3年生に運転免許取得のための助成を行っていて、今回の参加者も教習所に通っているとのことでした。

最後に修了式を行い、今年度のプログラムを受講してきたことで学んだこと、春からの新生活での目標、これからの人生での決意を、それぞれ語ってもらいました。仕事のこと、家族のこと、一人ひとり思いを言葉にして宣言しました。

気仙沼での自立支援

2月6日、気仙沼の児童養護施設、旭が丘学園にて今年の自立支援プログラムの最終回が行われました。

施設児童の自立支援活動を始めたのは2003年のことです。
今では青森から沖縄まで全国10ヶ所で行われていて、児童養護施設や里親家庭からも参加し、参加人数も毎年100名を超えるようになりました。

今年はこの気仙沼会場では、施設と近隣の里親家庭で生活する高校三年生と一緒になって生活のために必要な学びの機会を設けることができました。
また企業や団体からのご支援をいただき、参加した高校生たちに布団や冷蔵庫といった生活用品や、スーツのプレゼントを贈ることもできました。家族からの支援が得られない場合は、18歳で就職をして一人暮らしをして社会のなかで生きていくことになります。

震災から5年、気仙沼の町は復興途上です。18歳の就職先は見つかりません。地元で働き暮らしながら少しずつ社会に慣れていくというわけにはいきません。今日参加した高校生たちも、それぞれ遠方で頑張っていくことになります。

修了証を授与し、それぞれのスピーチを聞き、施設の先生方や地元の方々に暖かく支えられてきたのだなと感じることができました。強く、優しい言葉ばかりでした。

これからは社会の一員として、よき隣人として、それぞれの人生を幸せに生きていってほしいと願うばかりです。

2016 謹賀新年

あけましておめでとうございます。

旧年中は格別のご高配を賜りまことにありがとうございました。
池上彰さん編の書籍の刊行へ参加したことで、多くの皆様にこの社会的養護と自立の課題について知っていただく機会に貢献できましたことが何よりうれしく思います。

2016年もよりよい活動を続け、多くの子どもたちがよき隣人として社会に自立をしていくことへの支えを続けてまいります。

今年も何卒よろしくお願い申し上げます。