おしらせ」カテゴリーアーカイブ

児童福祉施設職員のワークショップ2018

10月23日・24日の二日間、パレスホテル立川にてテレビ朝日福祉文化事業団の主催による、「児童福祉施設職員のためのワークショップ」が実施されました。今回もエンジェルサポートセンターは事務局を担当させていただきました。

サンフランシスコ州立大学名誉教授の田中万里子先生を講師に迎え、東北から九州まで全国の児童養護施設や保育園、児童福祉施設から職員22名が、子どもたちに対して共感的に関わること、子どもの気持ちに寄り添うことを学ぶ機会となりました。

講義と、グループによる事例検討と講師からのコメント、また体を使ったエクササイズや姿勢の大切さを学ぶ二日間でした。

次回は2019年10月8日(火)・9日(水)の日程で予定しています。ご予定いただけますようお願いいたします。

 

2018自立支援プログラム東京 調理実習/進学

9月30日(日)、台風が近づく東京で今年の自立支援プログラムの第一回を行いました。今回は立川市の女性総合センター・アイムにて、調理実習と進学についてのセッションを行いました。

今年度は17名の高校3年生が参加しています。この日は年間プログラムの初回でしたので初めにオリエンテーションを行い、講師スタッフ5名と施設職員3名も合わせて全員で自己紹介をしてから、今後の修了までの流れや説明を行いました。

プログラムの前半は料理についてです。講師から栄養や献立についての説明があり、早速グループ分けをしました。自己申告で料理が得意、普段からしている人、ほどほどする人、まったくしない人、までレベルを自分で決めてもらい、同じくらいのレベルの人同士でグループを組みます。そうしないと料理の得意な人がすべてやってしまうので練習にならないのです。
メニューは決まっておらずグループで相談して決めます。さらに材料は会場に準備された肉や野菜などの中から選んで「購入」し、予算内で完成させなくてはなりません。さらに各グループごとにくじ引きで引いた「スペシャル食材」を必ず使わなくてはいけません。これは冷蔵庫に残った消費期限の近い食材を想定しています。つまり普段の生活の中で毎日行う炊事と同じことをグループでやってもらおうということです。

それぞれスマートフォンを使ってレシピや分量を参照し、限られた材料と予算で何が作れるか相談しています。今日初めて会ったばかりですが相談しなくては食べられません。なかでも料理をまったくしないメンバーが集まったグループは「どうする」「どうする」と言い合い、講師のアドバイスを受けながら相談しています。しかもくじで引いたスペシャル食材はこんにゃくです。結局、野菜をたっぷり入れた豚汁を作ることになりました。講師やスタッフのサポートを受けながら、すべてのグループが予算内で食事を完成させていました。

出来上がった料理は味はそれぞれ色々な感想があったり、予算を使い切ろうとして多く作りすぎてしまったりしましたが、皆で楽しく食事をとることができました。食事をしながらの雑談の中で普段の生活や学校のこと、進路のことなど自然に話が出ていました。

児童養護施設で生活していることで食事についてメリットがあるのは、栄養士の皆さんが考えた食事を毎日食べていることです。この日もメインの肉料理の他に生野菜を添えたり、サラダやフルーツをつけたり、何も指示せずともすべてのグループで栄養のバランスのよいメニューにしようとしていました。毎日の食生活で自然と身についているということです。それとそれぞれ料理の腕はまちまちですが、片付けは全員が協力して手際よくあっという間に済ませていました。食器や鍋を洗い、元の場所に片付け、ごみの分別をしてテーブルや流しをきれいに拭く、そんなことを当たり前に分担している様子が見られました。身についた習慣はこれからの新しい生活でも役に立つことでしょう。

午後は進学についての話をしました。資料を見ながら、進学について何が大変なのか、どのような支援があるのか、先輩たちは何に困り、どう克服したのか。支援について知り、色々な人と相談しながら自分の目標に向かうことの大切さを伝えました。

この日は台風が近づくなかでの一日でしたので、予定よりも終了時刻を早めて解散としました。
参加者のコメントでは、

  • 決められた材料で料理をするのは難しいと思ったが、話し合ってそれぞれの知恵を知ることができてとてもよかった。
  • バランスの良い料理を考えるのはとても難しくて、良い経験でした。
  • 協力してみんなと作ることができた。楽しかったし笑えた。卒業するまでに一人でできるようにしたい。

と充実した様子が見られました。一方で、

  • 毎日考えて作っていくのは難しく大変。
  • 分量がわからなかった。
  • 食材の相場をあまり気にしたことがなかったのでもっと買い物をして知りたいと思った。

などのコメントもありました。進学についてはやはりお金のことがもっと知りたいようなので、次回以降、家計について学ぶ回にてあらためて考える機会としたいと思います。

2018 福祉施設職員のためのワークショップ開催予定

2018年の「児童福祉施設職員のためのワークショップ」の開催は、2018年10月23日(火)・24日(水)の二日間を予定しています。

参加者募集の案内発送は順にお送りしておりますが、遅くになってしまい大変申し訳ございません。お急ぎの方はメールにてデータを送付いたしますので、上部メニュー「お問い合わせ」よりご連絡いただけますよう、よろしくお願いいたします。

多摩ユースサロン 2018年9月 ボウリング/交流会

9月16日(日)に、多摩ユースサロンのイベント「みんなのボウリング/交流会」が行われました。

これは三多摩児童養護施設協議会が主催し各児童養護施設の自立支援コーディネーターが中心となり、施設出身者の集いを14の施設で合同で行っているアフターケア事業です。エンジェルサポートセンターも三年前の立ち上げから協力団体として参加しています。

今回は立川スターレーンにてボウリング大会を行いました。各施設の出身者と職員が30名以上も集まり、6レーンを使っての大きなイベントです。始球式でストライクを取ると全員にジュースがプレゼントされるということで、代表のユースが思い切って投げましたが結果はガター。罰ゲームの青汁一気飲みをさせられて大会スタートとなりました。

お互いに初めて会う人も普段のサロンで顔見知りになっている人もいますが、それぞれのレーンでゲームを楽しんでいました。最後には順位発表があり、上位三名には拍手とジュースが贈られました。久しぶりに再会した同じ施設出身の何人かは、ゲーム後にもらった割引券を使ってさらに3ゲームも投げていました。それほど楽しかったようです。

その後、市内のイタリアンレストラン、トスカーナに移動して今度は交流会です。老舗のイタリアンをいただきながらビールやワインを楽しみました。途中で自己紹介を行い、初めて会う人達とも知り合う機会がありました。現在の生活の様子や仕事、学校などの近況を知ったり共通の趣味について語ったり楽しい時間になりました。複数の施設の出身者と職員と施設長、それに私達のようなNPOや弁護士さんといった支援者が、一同に集まってお酒を飲みながら語り合うような会は、おそらくほかにあまり例がないのではないでしょうか。

さらに時間があっという間に過ぎてしまったので、半分ほどの希望者が残って三次会に出かけ、また楽しく語り合い時間を過ごしました。

わたしのみらい2018 税務署体験/家計管理

8月8日(水)首都圏・福島県の児童養護施設、里親家庭の中高生たちが午前中のプログラム会場である立川税務署に集合しました。当日は台風接近による雨風にもかかわらず予定通り全員参加!!無事にプログラムを開催することができました。

税務署に来ることが初めての中高生たちは少し緊張した面持ちです。実際に業務をしている署内の見学や、税務署の仕事についてわかりやすく教えていただくなかで、私たちが安心して生活するために納税が大事なことなのだということを学びました。1億円(もちろん見本!)という大金を実際に自分の手で持ってみるという体験もしました。10kgとかなりの重量でみんなびっくりです!そして、国家公務員税務署職員採用試験に合格した若手の職員さんたちにより採用後に税務署で働くための研修を行う「税務大学校」での話や、寮生活の様子、この仕事を志した理由などお聞きすることができました。ちなみに「税務大学校」は大学とは違います。採用決定後に業務のための研修を行う学校のことです。高等学校卒業(または見込み)であれば税務職員受験資格があります。興味のある人は「税務職員採用試験」で検索してみてください。研修は大変だそうです。しかし、その分一緒に過ごした仲間とのつながりは強いものがあるとのこと。お給料をいただきながら研修できるという仕組みを知り驚いている参加者もいました。実際に仕事をしている現場を見学できたこと、そして直接話を聞けたことは大変好評でした。

午後はアクセンチュア株式会社のお兄さんお姉さんたちと一緒に、自立後のお金の管理について学びました。一人で暮らすことを想定して一ヶ月の生活費予算計画をたてます。始めに支出を書き出し、その後収支を書き出していくと…なんと…「赤字だ~!」そんな声があちこちから聞こえてきました。漠然と考えていただけではわからないけれど、こうして書き出して計算してみることで実感が湧き現実的に考えることができます。進学する人にとって奨学金の金額は大きなポイントです。バイトについても金額だけ考え長時間バイトをすると睡眠時間がなくなってしまいます。食費についても外食と自炊では大きな差があります。午前中習った税金も意識して考えます。貯金の金額をどうするか、交際費もいるし…具体的なイメージを膨らませ、お兄さんお姉さんたちの助言を聞きながら予算立てをした結果を表にして発表しました。それぞれの工夫が垣間見えるものであり、中高生にとって大事な経験になりました。

今回は午前、午後と自立に向けてとても大切なプログラム内容で、参加者からは「普段経験しないことばかりで疲れたけど楽しかった!」「将来について考えることができて良かった」「勉強になった。ためになった」などの感想をいただきました。

2018年の「わたしのみらいプログラム」は今回で終了となります。参加してくれた中高生のみなさん本当にありがとうございました。そしてお疲れさまでした。

今後もみなさんに役立つ情報をお届けし、多くの経験をしてもらえるように魅力的なプログラムの準備を行い実施が決定したら随時お知らせしていきます。楽しみに待っていてください。