12月17日、2017年度第4回の自立支援プログラムを実施しました。
今回は司法書士会の講師による法律と契約についての学習と、コンサルティング企業の皆さんによる家計についての学習のプログラムを行いました。
午前中は東京都青年司法書士会の皆さんを講師に迎え、法律と契約として、生活する中で想定される法律と契約に関係する困ったことを実際の事例を元にクイズ形式にして、それぞれの選択肢のどれが正しいのかをグループに分かれた高校生たちが考えました。どの選択ももっともらしく、また問題の内容も悪質商法、労働契約、など、実際に若者に起こり得る内容だったため、真剣な議論で盛り上がっていました。
また「親の借金を子供が返済する義務があるか」といったテーマでは、親子であっても連帯保証人でない場合には借金の相続が放棄することができることについて、複数の参加者が知らなかったと答えていました。もしかしたら実際にそのような立場であったのかもしれません。そうだとしたら大きな意味のある時間であったと思います。
午後にはアクセンチュア株式会社のコンサルタントの皆さんがご担当いただき、生活する上での家計について考えました。高校卒業後の進路ごとにグループ分けをして、就職、進学、それぞれで実際の想定をしながら収支を計算するワークを行いました。
実際の例や賃貸情報を見て説明をした後、グループごとに話し合いをしながら費目と金額を書き出していきました。自分の考えだけでなく話し合うことで想定していなかった費用が必要だと知ったり、お互いの金銭感覚の違いについても知ることができました。
参加者からは「トラブルの対処法を学ぶことができた」「お金が足りないことがわかっていなかった」「節約のアイデアを今後使っていこうと思った」といったコメントがありました。一方で「法律はごちゃごちゃしていてあまり分からなかった」「お金の管理の方法を他にも知りたい」「クレジットカードについてももっと知りたい」というコメントもありました。
内容が複雑で一日で網羅することが難しい内容でしたが、必要性や興味について感じてもらえる機会となればいいと思います。また地域の法律のプロとの接点ができたことで、本当に困ったときの相談先の機会となるといいのではないでしょうか。
また、この日は参加している高校生の皆さんを支える施設職員、里親の皆様を招き、プログラムの見学と保護者会を行いました。短い時間でしたが8月からこれまでの様子を共有し意見交換もできて、春の退所時期に向けて自立に向けての準備がより充実するような機会としました。