自立支援プログラム沖縄2016

3月4日、沖縄県で行なわれてきた児童養護施設の高校生を対象にした自立支援プログラム、エンジェルサポート2016沖縄が最終回を迎え無事修了しました。

この沖縄県のプログラムも今年で5年目となり、児童養護施設島添の丘、石嶺児童園、美さと児童園、の三施設から12名の高校三年生が参加して、全4回のプログラムが行われてきました。

この日は沖縄県キャリアセンターから講師を招き、ビジネスマナーについて学んだあと、午後は男子と女子に分かれて資生堂ジャパンの講師からの指導を受けて、男子は社会人としてのヘアケアやスキンケアについて、女子は社会人のメークを学びました。
最初は「高校生らしいおしゃれなメーク」を落とすことに抵抗があった女子の皆さんでしたが、先生から一人ひとりに似合うメークについて教えてもらい、細かなテクニックを教えてもらうと、次第に自分も周りの仲間も社会人の顔立ちに変わってくる様子を見て、どんどん集中して取り組むようになってきました。
男子はその後はエンジェルサポートセンターの講師によるビジネススーツ講座を行い、社会人の基本的なスーツの着方やポイントを学びました。男子も初めは高校生の制服のような着方をしていましたが、気を付ける点を一つずつ直していくうちに服装だけでなく姿勢まで伸びてすっかり新社会人のように変わっていました。施設長先生や職員の皆様からは「見違えた。立派になった。」という声も上がりました。

男子も女子もすっかり社会人としての身だしなみが出来上がって、今年度のプログラムを終えた修了式を行いました。
エンジェルサポートセンターから一人ずつ修了証の授与を行い、フィリップモリスジャパンから記念品の生活用品の目録の授与を行いました。
その場でこのプログラムに参加した感想と今後の決意表明の作文を読み上げ、修了式を終えました。特にある参加者は施設で高校三年生が一人だったため、進路や新生活について共感的に語り合う相手がおらず不安を感じていたところこのプログラムに出会い、思い切って参加してみて初めはなかなか馴染めなかったものの、次第に他の施設の高校生と話ができるようになり、それぞれの目標に向けて励まし合いながら毎回楽しみに参加するようになった、ということでした。支え合える仲間づくりができるのもこのプログラムのいいところでしょう。

終了後は全員でパーティで行ないました。料理やケーキをいただきながら今年度の思い出を振り返り、春からの新生活について語り合う時間としました。毎回のセッションの後で活動の様子を写した写真と内容を模造紙に書き出した掲示をしていて、それも皆で見ながら充実した時間を振り返っていました。

プログラムの企画運営を行う施設職員の皆様は毎年熱心に取り組んでいただいていて、よりよい支援になるようにと毎年内容のアップデートが行われています。また三施設合同で行うことで、それぞれの施設が持つ支援者のネットワークを共有して広めることにより、子どもたちへのよりよい支援へとつながってきているそうです。
エンジェルサポートの縁がもとで地域の皆様の取り組みのさらなる充実へとつながった例だと思います。
また今後は、これまでの修了生たちが先輩として自らの体験を高校生たちに伝えていくことで、当事者にとって大切な気づきや苦労などを知る機会にしようと計画もしています。ますますの支援の充実に施設長先生方や職員の皆様にあらためて感謝申し上げます。