自立支援プログラム東京2016修了

2016年度のエンジェルサポート自立支援プログラム宿泊研修が、国立オリンピック記念青少年センターにて2017年2月25日と26日の一泊二日で行われました。

今回は昨年夏から続くプログラムの最終回として締めくくりのセッションとすると同時に、今年もNPO法人里親子支援のアン基金プロジェクト、NPO法人神奈川フォスターケアサポートプロジェクトがそれぞれ行う自立支援プログラムと合同で実施しました。三団体から集まった、児童養護施設や里親家庭からの自立を控えた高校生が合計で34名参加し、様々な学びと交流の機会となりました。

初日はIFCAスタッフによるストラテジック・シェアリングのワークショップを行ないました。日本とアメリカとの交流から当事者活動を行っている社会的養護出身のユースメンバーが、自身の経歴や体験について就職先や進学先において適切に人に伝える、または伝えないための「戦略的な」方法を、アメリカで開発された手法を元に参加者に伝えてもらいました。

夕食後、夜のセッションではプログラム出身の卒業生を中心に、施設や里親家庭から自立をした8名の先輩たちに来てもらい、小グループに分かれてそれぞれ語り合う時間としました。
自立する前、した後での体験や困ったこと、どう対応したか、奨学金を集めて大学に卒業して就職した話や、生活の様子、失敗したこと、など、また大勢では聞きにくい質問などもして貴重な時間を過ごしました。

一日目のプログラムを終えると、参加者同士で部屋ごとに過ごします。お風呂に入り部屋で語り合うのは、仲間との特別な時間になるのではないでしょうか。

翌日は朝からメンタルケアの重要性について、また自分でできるストレスマネジメント、セルフケアについて体験しながら学びました。リラックスしすぎと寝不足で眠くなってしまう参加者もいましたが、がんばって最後の時間を過ごしていました。

一年間のプログラムの最後には修了式を行いました。来賓にはこのプログラムの実施とプレゼントについてご支援をいただいているフィリップモリスジャパン合同会社の皆様、ホンダ販売労働組合の皆様、児童養護施設の職員の皆様、にお越しいただきました。
修了式ではプログラム修了生全員に修了証と布団や冷蔵庫など本人の希望する記念のプレゼントが贈られました。そして毎回この場では修了生と来賓の皆様の前で決意表明を行います。将来の実現させたい目標を宣言することで、実現する可能性を高めるためのパブリックコミットメントの機会としています。特に練習をすることもなく内容も自分で考えて自分自身のために行うのだと伝えていますが、それぞれの決意を聞いているスタッフや来賓の心に響くような立派なスピーチを行なうので毎年職員の皆様からも「普段の様子とは違う、大人になったようだ」との声が多く聞かれます。

すべてのプログラムを終え、全員でパーティ会場に移動してランチパーティでお祝いしました。今回はアン基金プロジェクトのスタッフの皆様によるチーム対抗ゲーム大会を行い、クイズやゲームで楽しみました。
せっかくお互いを知り親しくなれましたが、またすぐそれぞれの環境へ別れていくことになります。すぐに就職先の寮やアパートへの引っ越しもありいよいよ新生活が始まりますが、今日ここに集まった仲間同士で楽しく過ごした時間が、いい思い出として、多くの学びとともにいつまでも残っていてくれたらと願います。
そしてまた卒業生のイベントや、今度は先輩講師として来年のプログラムに参加してくれることを楽しみにしています。